AMRの倉庫作業における動的障害物検知
カメラを利用した3D環境認識により、高精度なナビゲーションと安定した搬送を実現
ステレオカメラを利用し、AMR(自律走行搬送ロボット)の周辺環境を3次元で認識すれば、ナビゲーションと障害物検知に必要な深度情報をリアルタイムに取得できます。さらに、撮像工程の下流側に環境認識/ナビゲーションソフトウェアを追加し、走行ルート上の障害物や段差を早期に検知して対処することで、搬送作業を効率化しながら、衝突や予期せぬ停止を低減することも可能です。
ナビゲーションと障害物検知に必要な3D画像
AMRの倉庫作業を効率化するうえで、早期かつ正確な障害物検知は欠かせません。ステレオカメラは、ほかのセンサーにはない機能として、ロボット周辺の空間情報を収集できます。しかも、取得した深度情報をナビゲーションソフトウェアに転送し、狭い通路に突き出した物体や、周囲を行き交うロボットを検知したうえで、AMRの走行を制御すれば、衝突や誤ったルート選択、貨物の損傷を低減することにもつながります。なお、3D形状情報から動く物体を検出することも可能ですが、人的安全を確保する際は、認証を受けた適切な安全センサーが別途必要になります。

狭い通路の障害物検知
カメラを使用してAMR前方の3D画像を撮影し、取得した深度情報を環境認識/ナビゲーションソフトウェアに転送すれば、障害物検知やルート判断の精度が向上します。

交差路の障害物検知
突き出たフォーク部やパレットの角、車両端部を3次元で表現した3D画像は、環境認識ソフトウェアによる早期の障害物検知やナビゲーション情報の収集に役立ちます。

動く物体の撮影
ステレオカメラで取得した3D形状情報を活用すれば、動く物体の位置と姿勢の変化を把握できます。ただし、人的安全を確保する際は、追加のソフトウェアや認証を受けた安全センサーが必要になります。
突き出た障害物や複雑な構造物を検知しなければならない場合は、既存のナビゲーションセンサーに加え、ステレオカメラを追加することをおすすめします。その際、カメラの配置や環境認識ソフトウェアの安定性、別途の安全対策にも配慮するとよいでしょう。

Basler Stereo mini:AMRによる倉庫内の障害物検知を強力サポート
Basler Stereo miniは、小型機器に組み込む場合やロボットアームに取り付ける場合を含め、スペースが限られた場所の短距離撮影に適しており、狭所においても高精度な3D測定を実現できます。
ToFカメラ:長距離撮影と広範囲の環境認識に最適
無人フォークリフトをはじめとする大型の自律走行産業車両は、広い通路の走行、前方にある棚の検知、トラックへの貨物積載の際に長距離撮影と広範囲の環境認識が求められるため、ステレオカメラよりもTime-of-Flight(ToF)カメラのほうが適しています。ただし、実際に3Dカメラを選定する際は、撮影距離、精度要件、環境光、対象物の表面形状・質感、実装の難易度などを考慮に入れることも非常に重要です。
Basler ToFカメラの詳細はこちらBasler Stereo mini:ナビゲーション・障害物検知向けのコンパクトな3Dカメラ
Basler Stereo miniは、AMRの環境認識に必要な深度画像とポイントクラウドを生成します。これらのデータを環境認識/ナビゲーションソフトウェアに転送することで、障害物や対象物との距離、床の段差を検知することができます。しかも、コンパクトな設計に加え、幅広いインターフェースに対応しているため、設置スペースが限られているAMRやエンベデッドビジョンシステムに特に適しています。なお、実際の測定精度は、撮影距離、照明条件、カメラの取り付け位置、対象物の表面形状・質感などによって異なります。

Basler Stereo mini 951g:コンパクト&軽量
Basler Stereo mini 951g は、設置スペースが限られている小型AMRに特に適しており、0.25m~6mの撮影距離において、深度情報をリアルタイムに取得することが可能です。また、インターフェースについては、モバイルロボットと安定して接続できるGigEを採用しています。
コンパクト:124mm×29mm×50mm
軽量:220g

物流倉庫における運用に最適な設計
IP67対応の丈夫な筐体を備えたBasler Stereo mini 951gは、水や埃の影響を受けやすい環境での運用に最適です。
また、照明条件の変化に対応する自動露光制御機能や、暗色面・平坦面に質感を追加するパターンプロジェクターを内蔵しているため、優れた深度測定を実現できます。なお、実際の測定精度は、撮影距離、照明条件、対象物の表面形状・質感などによって異なります。
モバイルロボットへの取り付け
Basler Stereo mini 951gは、コンパクトな設計に加え、安定性の高いGigEに対応しているため、長距離ケーブルで各機器を接続する分散構造のモバイルロボットに特に適しています。
短・中距離撮影に適した基線長95mm
撮影距離0.25m~6m
AMRに柔軟に接続できるGigEに対応

2D/3D画像による自己位置推定と環境認識
Basler Stereo miniは、AMRの周辺環境の2D画像と深度情報を取得したうえで、ポイントクラウドを生成します。実際のシステム構造にもよりますが、これらのデータは、視覚的自己位置推定やマッピング、周囲の障害物検知に活用できます。
さらに、LiDARやIMUといったほかのセンサーと組み合わせながら、LiDARのスキャン範囲外の空間情報を含め、追加の環境情報を取得すれば、障害物や突き出た物体、高低差を正確に検知することも可能です。なお、センサーデータの解析やルート計画、走行制御は、撮像工程の下流側にある環境認識/ナビゲーションソフトウェアが行います。

ミリ秒単位のレイテンシーがAMRの運用に影響を及ぼす理由
障害物検知とナビゲーションに使用する深度情報は、可能な限り最新のものである必要があるため、画像取得、深度計算からデータ転送・解析、走行制御に至るまで、撮像工程全体におけるレイテンシーをいかに抑えるかが非常に重要です。
例えば、走行速度1.5m/秒の場合、100ミリ秒のレイテンシーが発生すると、必要な制動距離に加え、AMRの位置が15cmもずれてしまいます。ナビゲーションと制動動作を最適化するとともに、障害物検知時に走行を迅速に制御するには、レイテンシーの低減と安定化が欠かせません。

pylon SDKによるスムーズな実装
Basler Stereo mini 951gは、pylon SDKに対応しているため、2D画像と深度情報の取得・調整を単一のソフトウェア環境で行うことができるほか、カメラのセットアップと設定確認についても、pylonビューワーのみで完結します。
さらに、C++、C#、Pythonなどの各種プログラミング言語を介し、カメラとAMRの環境認識/ナビゲーションソフトウェアを接続できることもその大きな特長で、評価から実装までの作業をスムーズに進められます。

カメラの選定・実装に関するサポート
Baslerでは、専門の技術スタッフによるカメラの試験・セットアップ支援に加え、設定調整や2D/3Dデータへのアクセスを可能にする共通ソフトウェアのpylon SDKもご提供するなど、AMR向け3Dカメラの選定・評価・実装をトータルにサポートしています。
カメラの選定サポート
カメラの評価・実装に関する技術サポート
共通ソフトウェアのpylon SDKによるカメラの実装