プリント基板/フレキ基板の貼り合わせ工程における透明接着材の検査・位置合わせ精度の向上
民生用電子機器向けのプリント基板(PCB)/フレキシブルプリント基板(FPC)の貼り合わせ工程では、両面テープや保護テープなどの透明接着材が広く使用されています。しかし、これらの接着材は、低コントラストかつ境界が不明瞭であるため、正確な検出と位置特定が容易ではありません。以下では、透明接着材の高コントラスト画像を取得し、検査精度と製造効率を向上させる方法について解説します。

接着材の外観検査
プリント基板/フレキ基板の貼り合わせ工程では、カット済みの透明接着材(両面テープ、フォームテープ、保護テープなど)が広く使用されています。特にピックアンドプレースによる貼り合わせの場合、ビジョンシステムを使用し、基板の貼り合わせ前に正確な位置特定と接着品質評価を行わなければなりません。
透明接着材の撮像課題
接着材と背景にあるフィルムの明暗差が小さい
透明接着材とキャリアフィルムは、光学特性が似ているため、従来の照明では十分なコントラストが得られず、安定して識別できません。
不明瞭な境界が測定・輪郭抽出の精度に影響
境界が不明瞭な透明接着材は、輪郭の認識が難しいため、測定と位置特定の精度が低下してしまいます。
材料特性の違いに合わせて柔軟な撮像が必要
接着材は、種類によって厚み・透過性・反射性・色合いが異なるため、単一の撮像手法のみで一貫した検査を行うことは容易ではありません。

位置特定・接着品質評価の作業フロー
位置特定・接着品質評価の主な作業フローは、以下の通りです。
材料供給:リールやトレイからカット済みの接着材をピックアップ
接着状態のインライン検査:製造ライン上を搬送される接着材を撮影し、輪郭・配置・接着状態を確認したうえで、残渣・位置ずれ・はみ出しがある部品を自動的に排除
接着材の位置合わせ・貼付:ビジョンシステムでXYθ補正を実施し、対象となるプリント基板/フレキ基板に接着材を貼付
接着材貼付後の検査:貼付精度と作業品質を確認
透明接着材検査向けビジョンソリューション
Baslerでは、透明接着材検査の撮像課題を解決するため、高解像度カラー撮影とカスタム製の画像補正ファームウェアを組み合わせたソリューションをご提供しています。これに適切なUV(紫外線)照明を追加し、接着材を可視化すれば、測定・輪郭抽出・位置特定の信頼性を向上させることが可能です。

UV照明によるコントラストの向上
従来の可視光照明を使用して撮影する場合、十分なコントラストが得られず、透明接着材とキャリアフィルムを識別できません。一方、適切な波長帯域に対応したUV照明であれば、接着材とフィルムの光学特性の違いを強調し、正確な境界を検出することが可能です。さらに、Basler独自の画像補正ファームウェアを活用することで、輪郭抽出の安定性と面積・エッジ間距離測定の精度が向上し、信頼性の高い透明接着材検査を実現できます。

撮影機器とファームウェアの最適化
透明接着材検査の信頼性は、画質に大きく左右されます。Baslerでは、カラーカメラ(5MP)とレンズを組み合わせて、正確な測定・位置特定・輪郭抽出に必要な解像度と画質を実現するだけでなく、RGB調整も行うことで、プリント基板/フレキ基板の貼り合わせ工程における接着材とキャリアフィルムの識別を可能にしています。
このほか、接着材の視認性を向上させるため、要件に応じて画質・色補正(カラービニング、シャープネス、ノイズ除去など)を行うカスタムファームウェアをご提供することも可能です。撮像工程の上流側でコントラストを向上し、背景干渉を低減すれば、透明接着材の境界が可視化され、キャリアフィルムを簡単に識別できるようになるため、輪郭抽出、面積・エッジ間距離測定の安定性と検査の信頼性が向上します。
ビジョンシステムの機能
本事例のビジョンシステムには、以下のような機能があります。
輪郭抽出
接着面積測定
エッジ間距離測定
接着残渣検出
上記に加え、カスタムファームウェアによって背景干渉を低減することで、低照度・高ゲインの環境下においても、鮮明な撮像と安定した検査を実現できます。
お問い合わせはこちら統合型ビジョンソリューションのメリット
Baslerでは、カラーカメラ、UV照明、カスタムファーウェアをワンストップでご提供することで、透明接着材検査の撮像課題を解決するとともに、検査の柔軟性・信頼性と製品競争力の向上に貢献しています。主なメリットは、以下の通りです。
画質の改善
画像を後処理する代わりに、カスタムファームウェアを活用し、撮像工程の上流側で画質を改善
コントラストの向上
コントラストの大幅な向上により、透明接着材と背景を正確に識別
カスタムソリューション
要件に応じてファームウェアをカスタマイズすることで、製品の差別化と競争力向上に貢献
トータルコストの削減
単一のプラットフォームで幅広い接着材に対応できるため、システム構築の労力や開発期間、移行コストが減少