活用事例

ワイヤーボンディング検査におけるマシンビジョンの活用

高スループットを維持しながら、過検出を抑制し、検査の信頼性を向上

最先端のロジックデバイスやメモリーの製造においてフリップチップ実装が普及する一方で、パワー半導体、アナログIC、イメージセンサー、RFデバイス、自動車の内部接続については、いまだにワイヤーボンディングが広く採用されています。正確な位置合わせが必要なワイヤーボンディングや、接合強度と実装品質を検証するボンディング後検査において、複雑化するパッケージを可視化するには、高精度なビジョンシステムが欠かせません。以下では、マシンビジョンを活用し、高スループットを維持しながら、過検出を抑制し、検査の信頼性を向上させる方法について解説します。

ワイヤーの微細化と高密度化に伴い、複雑さ性が増しているワイヤーボンディング検査
ワイヤーの微細化と高密度化に伴い、複雑さが増しているワイヤーボンディング検査

ワイヤーボンディングとボンディング後検査におけるマシンビジョンの役割

2D/3D撮影による高精度なワイヤーボンディング検査
ワイヤーボンディング検査の主な工程:ダイ表面検査、ワイヤー流れの検出、接合状態の検証、NSOP(パッド上不着)の検出

半導体製造の後工程であるワイヤーボンディングにおいて、マシンビジョンは以下の2つの役割を果たしています。

  • 正確な位置合わせ:ワイヤーボンディングにおけるダイ、パッド、リードフレームの位置決め

  • ボンディング後検査:接合強度の検証、接合不良の検出、一貫した実装品質の確保

上記は撮影要件こそ異なるものの、いずれも正確な測定と高精度かつ安定した撮像が欠かせません。

ワイヤーの微細化と高密度化に伴う新たな検査課題

ワイヤーボンディングにおいて細線化・狭ピッチ化・ループの複雑化が進むなか、微細欠陥の検出、接合強度の検証、検査精度とスループットの両立の面で、以下のような課題が生まれています。

狭ピッチ化・ワイヤーの高密度化・配線の複雑化に伴い、ますます要件が厳しくなっているワイヤーボンディング検査
狭ピッチ化・ワイヤーの高密度化・配線の複雑化に伴い、ますます要件が厳しくなっているワイヤーボンディング検査
  • 高反射&低コントラスト:グレア(光沢)やコントラストの不均一により、欠陥検出の安定性が低下

  • ミクロン単位の微細欠陥:NSOP、ワイヤー流れ、ヒール切れを検出するには、数ミクロン以下の分解能が必要

  • 複雑な配線:低ループボンディング、高密度な配線、ワイヤーの重なりにより、ワイヤーのわずかな変形・ピッチ不良の検出が困難

  • 検査速度と解像度の不均衡:1秒間に20本以上の配線を行うワイヤーボンダーに対応するには、検査速度と解像度の両立が必要

  • 温度ドリフト&機械的制約:熱・振動・変位が位置合わせ精度と測定の一貫性に影響

マシンビジョンによるワイヤーボンディング検査の精度向上

ワイヤーボンディングの撮影・検査要件が厳格化するなか、ワイヤー表面の反射性、欠陥の大きさ、配線の複雑さにかかわらず、検査の信頼性を確保するには、高画質撮影、高度な測定、効率的なデータ処理が必要になります。

金線と銅線の光学特性の違いや、銅線表面の酸化に伴う外観・コントラストの変化により、ワイヤーボンディング検査における撮像の安定化が低下
金線と銅線の光学特性の違いや、銅線表面の酸化に伴う外観・コントラストの変化により、ワイヤーボンディング検査における撮像の安定化が低下

反射性の高いワイヤー表面の高画質撮影

ワイヤーボンディング検査の信頼性を向上させるには、安定した撮像が何よりも重要です。反射光や素材ごとの光学特性のバラつき、表面形状・質感の違いによる影響を最小限に抑えながら、ワイヤーと接合部を鮮明に可視化するには、照明設計、ダイナミックレンジ、センサー特性を総合的に考慮しなければなりません。また、検査装置によっては、反射性の高いワイヤー表面や複雑な配線の視認性を向上させるため、マルチアングル撮影が求められる場合もあります。

Baslerでは、HDR撮影カメラ内蔵型画像補正機能PGIを組み合わせることで、検査要件に応じて柔軟な撮像を可能にしているほか、局所コントラストとエッジ鮮明度を改善する画像補正技術により、微細なアライメントマークや検査部位に対するパターン認識の安定性を向上させるなど、ルールベースかAIベースかにかかわらず、一貫した画質と信頼性の高い検査を実現しています。

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ワイヤーの密度にかかわらず、接合部・ループ形状・微細欠陥を可視化し、ワイヤーボンディング検査の信頼性を向上するには、高解像度撮影が必要不可欠
ワイヤーの密度にかかわらず、接合部・ループ形状・微細欠陥を可視化し、ワイヤーボンディング検査の信頼性を向上するには、高解像度撮影が必要不可欠

高解像度撮影による微細欠陥の可視化

ワイヤーの細線化と高密度化に伴い、微細欠陥を可視化できるワイヤーボンディング検査装置に対するニーズが高まっています。しかし、NSOP、接合部の剥離、ワイヤー流れ、ヒール切れなどの重大な欠陥と許容範囲内の製造誤差を識別するには、十分な画素数適切なレンズ、そして一貫したコントラストを確保しなければなりません。

パッケージ設計と検査範囲にもよりますが、必要画素数は5MPから65MPとかなり幅があります。また、メーカーやパッケージの種類によって検査要件が大きく異なるため、実際の検査アルゴリズムと品質要件に対応した柔軟な撮像プラットフォームも欠かせません。このほか、大量生産の現場において検査性能を維持しながら、欠陥検出の信頼性を向上させるには、画素数・視野角・スループットのバランスを取ることも重要になります。

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高さ・ピッチ・ループ形状の3D測定により、ワイヤーボンディング検査の精度を向上
高さ・ピッチ・ループ形状の3D測定により、ワイヤーボンディング検査の精度を向上

複雑な配線の視認性の向上

アドバンストパッケージング(先進パッケージング)技術の普及に伴い、ワイヤーボンディングの低ループ化・高密度化・多層化が進んでいます。検査難度が増大したことから、欠陥やワイヤー形状の視認性の向上を目的として、照明調整、マルチアングル撮影、高解像度撮影などの手法を取り入れる現場も少なくありません。

また、ワイヤーボンディング検査では、高解像度による2D撮影が主流になっていますが、用途によっては高さ情報の取得が求められる場合もあります。そのため、Baslerでは、2D撮影と3D測定を組み合わせたビジョンソリューションをご提供するなど、検査精度のさらなる向上に取り組んでいます。



ワイヤーボンディングは成熟した技術でありながら、検査要件が目まぐるしく変化しています。ワイヤーの微細化とパッケージの複雑化に対応するには、製造効率に影響を与えることなく、画質と検査の柔軟性を向上させなければなりません。
Baslerアプリケーションエンジニア
フィールドアプリケーションエンジニア(Basler Japan)

ワイヤーボンディング検査装置の設計・開発サポート

信頼性の高いワイヤーボンディング検査に必要なものは、高解像度画像だけではありません。Baslerでは、画像処理に関するノウハウと柔軟な技術力、さらには半導体業界における豊富な実績を活かし、要件の厳しい検査ニーズに対応しています。

  • 画質向上と画像補正により、高精度な欠陥検出を実現

  • 検査・測定・位置合わせを含め、ワイヤーボンディングの幅広いニーズに対応

  • 豊富な製品ラインナップとpylon Software Suiteを活かし、システム構築にかかる労力を軽減

  • これまで培ってきた優れた信頼性により、半導体の製造現場において安定した性能を確保

使用製品

‍‍ご紹介したソリューションの導入には、以下‍の製品が最適です。

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