カメラ技術

2Dカメラと3Dカメラの比較

用途に合ったカメラの選定方法

マシンビジョンカメラに求められる要件は、ますます厳しくなっています。以下では、2Dカメラと3Dカメラの仕組みや用途を比較しながら、最適なカメラをスムーズに選定する方法について解説します。

  • 最終更新日: 2025/11/17

  • 読了時間:約 7 分

パレット上の貨物の撮影:2D画像(左)と偽色によりカラー化した3Dポイントクラウド画像(右)
パレット上の貨物の撮影:2D画像(左)と偽色によりカラー化した3Dポイントクラウド画像(右)

2Dカメラと3Dカメラ

2Dカメラと3Dカメラは、品質管理、工程自動化、欠陥検出をはじめ、幅広い産業用画像処理において中心的な役割を果たすとともに、作業の効率化や精度・信頼性の向上に貢献しています。

パレット上の貨物
パレット上の貨物

2Dカメラ

2Dカメラには、画像を一度に取得するエリアスキャンカメラと、画像を1列ずつ取得するラインスキャンカメラの2種類があり、モノクロまたはカラー(RGB)による高コントラストかつ鮮明な撮像が求められる用途に特に適しています。


Time-of-Flightカメラの撮影画像
パレット上の貨物:偽色によりカラー化した3Dポイントクラウド画像

3Dカメラ

奥行き情報を取得できる3Dカメラは、医療、自動化、ロボットなどの分野に新たな可能性をもたらしているほか、VR(仮想現実)やエンターテイメントにも導入されるなど、高度な撮影用途を中心にますます重視されるようになっています。


2Dカメラと3Dカメラの主な用途

産業用画像処理における2Dカメラと3Dカメラの用途は異なります。2Dカメラが平滑面の撮影、高コントラスト撮影、高速検査に主に使用される一方で、3Dカメラは、形状・体積測定、空間位置の特定が可能であることから、自動化やロボット関連の複雑な作業に多く採用されています。

2Dカメラの主な用途

3Dカメラの主な用途

高コントラスト部品の組立検査

無人搬送車の障害物検出

平滑面の形状・寸法測定

ロボットピッキング

製造ライン上の異物検出

トレイ内の物体の計数・過不足確認

色検査、印刷検査(バーコードなど)

プリント基板の部品の位置特定・過不足確認

色や印字に基づく分類

各種物体の体積測定

プリント基板のはんだ印刷検査

食品の分配

2Dカメラと3Dカメラの違い

用途に合ったカメラの選定するには、2Dカメラと3Dカメラの違いを把握することが重要です。両者の要件別の比較表を以下に示します。


2Dカメラ

3Dカメラ

速度

コスト

導入の難易度

平滑面の撮影&バーコード読み取り

複雑な形状の撮影

体積測定

位置特定

次に、実際の物流現場における2Dカメラと3Dカメラの活用事例をご紹介します。

物流現場における2Dカメラと3Dカメラの活用事例

最先端の物流センターでは、貨物管理の効率化・自動化を図るため、2Dカメラと3Dカメラを組み合わせて使用しています

作業内容
ロボットによる
大きさや形状の異なる貨物の認識・把持・測定・分類

3Dカメラの役割 3Dカメラを使用してベルトコンベヤー上の貨物を撮影し、正確な位置・形状を把握。奥行き情報を取得することで、貨物の向き・大きさ・重なりにかかわらず、ロボットによる正確なピックアンドプレースを実現します。また、3Dカメラで測定した貨物の形状・体積情報は、積載位置の決定や送料計算にも使用されます。

2Dカメラの役割 3D撮影と並行して、2Dカメラが貨物のバーコードを瞬時に認識します。低コストでありながら、平滑面に印字された文字やラベルを高速かつ正確に読み取れることも、2Dカメラの大きな特長です。


物流
物流現場における2Dカメラと3Dカメラの活用



2Dカメラと3Dカメラの活用事例の詳細については、以下をご覧ください。


3Dカメラの種類とそれぞれの用途については、マシンビジョンにおける3D画像処理の活用にて解説しています。

用途に合った2Dカメラと3Dカメラの選定方法

ビジョンシステムの構築において、2Dカメラと3Dカメラのどちらを使用するかを慎重に検討したうえで、早期に決定することは非常に重要です。その際、要件が明確であるほど、決定が容易になります。なお、高度な撮影用途の場合は、カメラの種類によってメリットとデメリットが異なるため、以下の用途一覧表を参考にするとよいでしょう。

用途

2Dカメラ

3Dカメラ

形状・体積測定

色・構造の認識

高コントラスト撮影

低コントラスト撮影

高低差の検出

空間位置の特定

2Dカメラと3Dカメラの選定は、ビジョンシステムの撮影効率や将来的な拡張性に大きく影響します。Baslerでは、実用性・信頼性・コストパフォーマンスを考慮したうえで、用途に合ったソリューションをご提案しています。
Martin Gramatke
プロダクトマネージャー - ‍3D事業部門(Basler AG)

まとめ

ビジョンシステムに最適なカメラは、用途や要件によって異なり、すべてのニーズを満たすソリューションは存在しません。そのため、2Dカメラと3Dカメラのどちらが適しているかを含め、実際の撮影条件を慎重に検討したうえで、最終的なカメラを決定する必要があります。また、ビジョンシステムのライフサイクル全体において、設置やソフトウェアにかかるコストも決して少なくありません。インダストリー4.0への対応や自動化の推進に向けて、3Dビジョンシステムが必要になる場合は、一から構築するのではなく、既存の2Dビジョンシステムに3Dカメラを追加することも視野に入れるとよいでしょう。

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