Basler独自のカメラ内蔵型画像補正機能PGI
ノイズを抑えながら、画像の鮮明度と色忠実性を向上
Basler独自のカメラ内蔵型画像補正機能PGIは、PGIデベイヤリング、カラーアンチエイリアシング、シャープネス、ノイズ除去の4つの機能から構成されており、ノイズを抑えながら、画像の鮮明度と色忠実性を向上させることができます。以下では、要件の厳しい産業用画像処理において、これまでにない画質を素早く簡単に実現するPGIについて解説します。
最終更新日: 2023/05/04
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PGIの4つの機能
PGIデベイヤリング:色の境界を滑らかにしながら、画像欠陥を防止
カラーアンチエイリアシング:エッジ部の偽色を最小限に低減
シャープネス:細部を鮮明に可視化しながら、エイリアシング(色にじみ)を抑制
ノイズ除去:輝度ノイズと色ノイズの両方を除去
PGI - カメラ内で高度な画像補正を実現
PGIは、カメラのFPGA上でリアルタイムに処理を行う完全内蔵型の画像補正機能です。カメラ内で画像を処理するため、ホストPCのリソースを節約しながら、全体的な撮像効率を向上させることができます。特にビジョンエンジニアにとって、一貫した画質の実現や下流側の画像処理にかかる負荷の低減、システムリソースの確保は非常に重要です。要件に応じたスムーズな実装と柔軟なカスタマイズが可能なPGIであれば、システム構築の各段階において、作業の効率化、高精度な解析、信頼性の高い撮像を実現できます。
デベイヤリング - 画質による差別化
デベイヤリングは、マシンビジョンカメラの画質を左右する重要な処理です。一般的なデベイヤリングが速度を優先しているのに対し、PGIデベイヤリングは、画像の鮮明度・色忠実性・細部の再現性に重点を置いています。両者の主な違いは、以下の通りです。


一般的なデベイヤリングとPGIデベイヤリングの比較
以下の表が示すように、PGIデベイヤリングは、優れた画質と信頼性の高い撮像が求められる要件の厳しい画像処理に最適です。
一般的なデベイヤリング | PGIデベイヤリング | |
補間方式 | 隣接する2×2画素を用いた補間 | 4×4画素または5×5画素を用いた高度な補間 |
|---|---|---|
画像の鮮明度 | 低い(ブレが発生しやすい) | 高い(エッジ部まで鮮明) |
色忠実性 | 偽色や色にじみが発生しやすい | 自然かつ正確な色再現が可能 |
細部の再現性 | 低い(細部がブレる) | 高い |
画像欠陥 | エッジ部に発生しやすい | 最小限に低減可能 |
ノイズ性能 | 色ノイズが増大 | 高度なノイズ除去が可能 |
処理負荷 | 小さい(処理が非常に速い) | 大きい(ただし、カメラ内で処理可能) |
PGIの4つの画像補正機能
PGIは、産業用画像処理向けに開発された4つの高度な画像補正機能で構成されており、マシンビジョンカメラの画質と性能を最大限に引き出すことができます。
PGIデベイヤリング
イメージセンサーのRAW画像からカラー画像を生成する機能です。画像欠陥を抑えながら、色の境界を滑らかにし、鮮明な撮像を実現できます。一般的なデベイヤリングと比較して、色にじみが大幅に減少し、微細な構造物でも正確に捉えられるため、高度な検査や細部の可視化が求められる用途に最適です。
カラーアンチエイリアシング
画像を解析して顕著な色欠陥を補正することで、一般的なデベイヤリングによく見られるエッジ部や細部の色にじみを防止する機能です。複雑な構造物の高解像度撮影においても、自然で正確な色合いを実現できます。


シャープネス
余計なノイズを発生させることなく、微細な構造物をより鮮明に描写する機能です。構造適応型の補間アルゴリズムを採用しており、エッジ部や細部を正確に可視化できます。柔軟性に優れているため、バーコード読み取り、OCR(文字認識)など幅広い用途に最適です。



ノイズ除去
スマートな並列処理により、輝度ノイズと色ノイズの両方を効果的に低減する機能です。産業用画像処理向けに開発されたフィルタリングアルゴリズムを採用しているため、厳しい照明条件や高フレームレートにおいても一貫した画質を実現できます。また、画像の鮮明度とノイズのバランスを考慮しながら、ノイズ除去の強度を個別に調整することも可能です。
PGI搭載カメラの製品一覧
モノクロカメラ向けPGI - 柔軟な補正による撮像精度の向上
要件に応じてシャープネスとノイズ除去の強度を調整できるPGIは、モノクロカメラにも最適です。デベイヤリングとカラーアンチエイリアシングはモノクロ画像に影響しませんが、シャープネスとノイズ除去については、輪郭の強調や画像ノイズの低減につながるため、大幅な画質の向上が期待できます。
なお、RAW画像の情報の保持を目的として、BaslerモノクロカメラのPGI搭載モデルは、工場出荷時にシャープネスとノイズ除去がオフになっています。PGIを適用して画質を向上させるには、お客様側でカメラ設定を適切に調整する必要があります。
PGIの運用におけるカラーカメラとモノクロカメラの比較
一般的なカラーカメラ、PGI搭載のカラーカメラ、モノクロカメラの違いとメリットを以下の表に示します。ぜひシステム構築の参考にしてください。
一般的なカラーカメラ | PGI搭載のカラーカメラ | モノクロカメラ | |
データ転送速度 | 低速(RAW画像)、高速(デベイヤリング後) | 一般的なカラーカメラと同じ速度で画質が向上 | 低速(色情報なし) |
|---|---|---|---|
デベイヤリング | 必要(処理負荷が増大) | 必要(カメラ側でリアルタイムに処理) | 不要 |
ホストPCの負荷 | 大きい(ホスト側でデベイヤリングを実施) | 小さい(カメラ側でデベイヤリングを実施) | Low |
画像処理工程 | 複雑(処理順序による) | シンプル(PGIにより最適化) | シンプル |
画質 | デベイヤリングの強度による(画像欠陥が発生する可能性あり) | 高い(画像欠陥を最小限に低減) | 変化なし(変換ロスなし) |
レイテンシー | 高い(ホスト側で処理) | 低い(カメラ側でリアルタイムに処理) | 低い |
アルゴリズムの実装難易度 | 高い(ホストPCの性能による) | 低い(カメラ内で柔軟に運用可能) | 低い(制約なし) |
ノイズ除去/シャープネスの効率性 | 低い(後処理が必要になる可能性あり) | 高い(カメラ側で直接処理) | 高い |
処理負荷&システム構造
上記に加え、ムダのないシステム構造と高いリソース効率を実現できることも、PGIの大きな特長です。FPGA(Field Programmable Gate Array)による4×4画素または5×5画素の並列処理向けに最適化されており、必要なFPGA内部メモリー容量と演算回数が非常に少なく済むため、大型FPGAなどコストのかかるプロセッサーを用意しなくても、カメラ内で複雑な処理を行うことができます。
PGIは、ホストPCの処理負荷を大幅に軽減することで、貴重なリソースを節約するカメラ内蔵型画像補正機能です。偽色を抑えるPGIデベイヤリング(特許取得済み)、画像の鮮明度をスマートに向上させるシャープネス、効率性の高いノイズ除去を組み合わせることで、厳しい条件下でも高精細かつ一貫した撮像を可能にするなど、最小限の労力で優れた画質を実現できます。
まとめ:PGIによる画質向上と撮像の効率化
カメラのFPGA上で画像を処理することで、ホストPCに余計な負荷をかけることなく、低ノイズ・優れた鮮明度・自然な色合いを実現するPGI。その4つの機能を要件に応じて柔軟に組み合わせれば、幅広い用途で撮像の信頼性と効率性を向上させることができます。画像処理におけるムダを省きながら、将来的なニーズにも対応できる、高性能かつコストパフォーマンスに優れたソリューションの構築に、ぜひPGIを活用してください。
よくあるご質問(FAQ)
イメージセンサーのベイヤー配列から取得した色情報を補間し、完全なカラー画像(RGB画像)を生成する処理をデベイヤリングといいます。ベイヤー配列では、各画素が1つの色成分(赤、緑、青)しか持っていないため、隣接する画素から不足している色成分を予測する必要があります。特に色情報を利用する産業用画像処理では、カラーカメラを使用してフルカラー画像を取得しなければならないため、デベイヤリングが欠かせません。
PGIデベイヤリングは、広範囲の画素を参照する高度な演算に対応しており、不足している色成分をより正確に推測できるため、一般的なデベイヤリングと比較した場合、色合いの自然さ、画像の鮮明度、エッジの滑らかさ、細部の再現性が大幅に向上します。また、色にじみやブレといった画像欠陥も最小限に抑えられるため、OCRやバーコード読み取りなど要件の厳しい用途に最適です。/p>
PGIのカラーアンチエイリアシングは、画像内の空間周波数が高い部位を解析し、偽色を防止する機能です。デベイヤリングによる色にじみが発生しやすい輪郭部や細部を中心に、ナイキスト限界まで色成分を補間すれば、複雑な構造物の撮影においても、画素欠陥を抑えつつ、色忠実性を向上させることができます。
イメージセンサー内の物理的・電気的影響から生じるノイズは、画像処理の過程で増幅するおそれがあります。PGIのノイズ除去は、画像内の輝度ノイズとカラーノイズの両方を効率的に低減する機能です。5×5デベイヤリングと組み合わせることで、必要な画像情報を失うことなく、画像ノイズを最小限に抑えられるため、厳しい照明条件においても一貫した画質を実現できます。
PGIのシャープネスは、自動ナンバープレート認識(ANPR)、バーコード読み取り、OCRをはじめ、細部や輪郭部の情報が重視される用途に適しています。要件に応じてシャープネスの強度を調整し、光学的な影響を抑えながら、ノイズを適切なレベルに維持すれば、低解像度でも正確な解析が可能になるため、産業用画像処理を効率化できます。



