‍ビジョン技術

半導体検査とプリント基板検査におけるOCR/OCVの精度向上

AIの質より重視される撮像の質

半導体やプリント基板(PCB)の製造現場において、AIに起因するOCR(文字認識)/OCV(文字照合)の不具合はほとんどありません。誤認識・誤判定の多くは、試験環境にはない想定外の要因によって撮像が不安定になることで発生します。

製造過程におけるウエハーの印字劣化:トレーサビリティを確保しながら、高コストな手直しを防止するには、高精度なOCR/OCVが必要不可欠
製造過程におけるウエハーの印字劣化:トレーサビリティを確保しながら、高コストな手直しを防止するには、高精度なOCR/OCVが必要不可欠

OCR/OCVの不具合の原因

試験環境でOCR/OCVが正常に機能していても、本番環境になると不具合が発生することはよくあります。その原因は、工場内の振動、製造ラインの速度変化、反射光、印字品質のバラつきなど実にさまざまです。また、低コントラストで角度によって見え方が変化するレーザー印字、時間経過とともにかすれ・退色が生じるインクジェット印字をはじめ、印字の種類によっても撮像が不安定になり、OCRの精度が低下します

製造現場の照明ムラや印字劣化による可読性の低下
製造現場の照明ムラや印字劣化による可読性の低下

AIの質より撮像の質が重視される理由

製造現場におけるOCR/OCVは、上流側の撮像工程が下流側のAI画像解析に大きく影響するため、AIの質より撮像の質が重視されます。例えば、検査装置自体を刷新しなくても、機器固定による振動低減や露光タイミングの調整のみで誤認識・誤判定は大きく減少します。このように、高精度なOCR/OCVを実現するには、撮像の安定性とコントラストの向上が極めて重要なのです

上記の通り、OCR/OCVの不具合の主な原因は、AIの質ではなく撮像の質にあります。光学設計や露光制御をはじめ、上流側の撮像工程に問題があると、下流側のAI画像解析に必要な情報を収集できません。試験環境でいくらAIを改良しても、本番環境で求める結果が得られないのはこのためです。つまり、OCRの精度向上に必要なものは、AIの安定化ではなく、撮像の安定化なのです。

OCRとOCVの比較:同一の文字情報に対する感度の違い

OCRが画像内の連続する文字列(LM358など)を読み取るのに対し、OCVは印字品質(文字のかすれ、退色、抜け、位置ずれなど)を評価します。そのため、OCRとOCVは、同一の文字情報に対する感度が大きく異なります

文字を読み取るOCRと印字品質を評価するOCV:OCVはコントラストやピントずれ、印字不良に対する感度が高い
文字を読み取るOCRと印字品質を評価するOCV:OCVはコントラストやピントずれ、印字不良に対する感度が高い

OCRとOCVの主な違い

多少のコントラストの違いや局所的な印字不良にかかわらず、文字を正確に読み取ることができるOCRと異なり、文字の細かな構造(エッジの連続性、文字の太さ、コントラストの均一性、幾何学的完全性など)を評価するOCVは、撮像の安定性によって精度が大きく左右され、わずかな照明ムラ、ピントずれ、画像のブレがあるだけでも、照合エラーや誤判定につながります。

OCR(文字認識)

OCV(文字照合)

使用目的

文字の読み取り

印字品質の評価

許容誤差

中程度

小さい

感度

低い

高い

システム要件

中程度

高い

リスク

印字不良に起因する誤認識

誤判定の増加

撮像の安定性に着目したOCR/OCVソリューション

Baslerでは、照明、光学設計、システム構造を含め、文字の可読性に影響する要素を検証したうえで、最適なOCR/OCVソリューションをご提案しています。

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続きを読む:OCR/OCVの設計において考慮すべきポイントとは?

半導体・プリント基板の製造現場でOCR/OCVの精度を向上させる方法について、照明、コントラスト、同期などの観点から解説します。

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