高感度画像処理カメラ
![暗い環境での撮影に最適な高感度カメラ](http://images-ctf.baslerweb.com/dg51pdwahxgw/77wGYOtRVgLb9ODze4eQHZ/27d20b0cba952688e8513effd2b10df3/VC_kb_High-Sensitivity-Image-Processing-Cameras_1866x1050px.webp?fm=webp&f=left&w=800&q=80&fit=pad)
高感度カメラとは
芝が短いグリーンに落ちたゴルフボールを見つけることは簡単です。芝がやや長いフェアウェイに落ちた場合でも、ボールはよく見えます。しかし、長い芝が生い茂ったラフに落ちた場合、ボールを目視で見つけることは非常に困難です。
![高感度カメラとは](http://images-ctf.baslerweb.com/dg51pdwahxgw/568dAkPMlOMHeG7SfmQt9L/a16f6b2394801a3692bd074e8289ef57/kn_high-sensitivity-industrial-cameras_grassball_2300px_1150x_.webp?fm=webp&f=center&w=800&h=450&q=80&fit=pad)
芝が長ければ長いほど、ボールを見つけにくくなるのと同様に、ノイズが多ければ多いほど、信号を認識することは困難になります。ノイズがほとんどなければ(芝が短く刈られている状態)、対象物(ボール)を簡単に検出できますし、逆に「ノイズの多い」と、対象物が見えなくなってしまいます。ボールを簡単に見つけるためには、周囲の障害物を減らさなければならないのです。
芝の中のボールを検出できなくなる限界点を表す「閾値」は、芝がボールと同じ高さに達した時の値と定義できます。同様に、ノイズが信号と同じ大きさであれば、画像データにある対象物をノイズと識別することがほぼ可能です。この信号とノイズの比率は、信「SN比」と呼ばれています。上記で説明した閾値のSN比は1になります。このSN比が高くなるほど、対象物を検出しやすくなります。
![高感度カメラ撮影時の光の量による画像変化のイメージ](http://images-ctf.baslerweb.com/dg51pdwahxgw/6ElqNQ0drj9xZoj9iQ4E1T/c272f798218579c4854459bf436dc71a/kb_high-sensitivity-industrial-cameras_kolibri_1380px_1150x_.webp?fm=webp&f=center&w=800&h=450&q=80&fit=pad)
撮影時にカメラで生成される信号の強度は、センサーの受光量によって変わります。受光量が少ないと、信号が弱くなってしまいますが、信号を効率的に変換・転送するため、カメラ内部の電子回路によって信号が増幅できるようになっています。ただし、これには処理の障害となるノイズまで増幅してしまうという問題点があります。なお、増幅によってSN比が変化することはありません。
これは、特に高感度カメラにおいては大きな問題となります。なぜなら、これらのカメラでは強い信号増幅が行われるためです。画像が強く増幅された場合でも高い解像度を得るためには、これらのカメラのSNRができるだけ高くなるように設計する必要があります。このため、設計が優れているカメラでは、ノイズができるだけ低く抑えられています。信号ノイズに関する基本性能が良いカメラは、SNRが高くなり、対象物を認識しやすくなります。
高いSNRを実現するために極めて重要な要因となるのは、光をできる限り効率的に電気信号に変換するセンサーの能力です。いくつの光子からいくつの電子が生み出されるかを評価したものを量子効率(QE)と呼びます。例えば、最近のセンサーは光子100個から電子60個を生み出しますが、この場合のQEは60%となります。センサー技術の継続的な改善により、さらに高い70%程度のQEの実現が可能になると見られます。