GigE/GigE Visionから5GigEへの移行
産業用画像処理において急速に普及が進んでいるギガビットイーサネット(GigE)は、汎用性の高いデジタルインターフェースとして、従来のアナログインターフェースに取って代わろうとしています。

優れた柔軟性:GigE
帯域幅の選択肢が多く、最大100mまでのケーブルの延伸、複数のカメラの運用も可能であるなど、技術的な柔軟性が高いGigEは、マルチカメラシステムの構築に最適なインターフェースです。

データ転送速度が0.96GB/秒以下の場合はGigE、0.96GB/秒を超える場合はGigEと同じケーブル長に対応しながら、約5倍の高速データ転送が可能な5GigEを選択するとよいでしょう。GigEから5GigEへの移行は非常に簡単で、既存のシステムに変更を加える必要はありません。
また、GigE対応カメラの中には、PoE(Power over Ethernet)を搭載しているものもあり、ケーブル1本でデータ転送と電源供給ができるため、設置スペースが限られる用途を中心にシステム構築にかかる労力とコストの削減につながります。ただし、PoEを使用するには、GigEに対応したケーブル、PCカード、スイッチ/ハブ、PoEインジェクターを使用して産業用カメラと産業用コンピューターを接続しなければならないため、注意が必要です。
シームレスな接続、優れた拡張性:GigE Vision
GigE Visionは、低コストかつ簡単接続のインターフェースとして広く普及しているGigEをベースに策定された産業用カメラインターフェース規格です。明確かつ論理的なフレームワークを大きな特長としており、さまざまな画像処理ソフトウェアライブラリーに対応しています。また、GigE対応カメラの交換や5GigE、10GigEなどの高速規格に移行する際に既存のシステムに変更を加える必要がないため、設備投資にかかる費用の見通しが立てやすいというメリットもあります。
GigEの主な特長
性能:最大データ転送速度0.96GB/秒、最大ケーブル長100m
互換性:既存のイーサネット環境の利用した低コストなシステム構築が可能
操作性:さまざまな画像処理ライブラリーに対応
運用性:GigEをベースにしたGigE Visionにより、優れた相互運用性を実現
効率性:1本のケーブルで電源供給とデータ転送を行うPoEを使用可能
進化した性能:GigE Vision規格バージョン2.0
GigE Vision 2.0は、複数のカメラの運用やリアルタイムな撮影を可能にするGigE Visionの最新規格です。PTP(Precision Time Protocol)を採用しており、システムの構成機器をナノ秒単位の精度で正確に同期します。また、GigE Vision 1.2と後方互換性があるため、既存のソフトウェアやハードウェアをそのまま使用しながら、システム全体の性能を向上させることができます。
詳しくはVision Campusのビデオ、またはホワイトペーパー「 カメラをリアルタイムに同期:GigEネットワークを活用した複数カメラの制御 」をご覧ください。
GigEの約5倍のデータ転送速度:5GigE
高度な画像処理が求められるなか、GigEの進化も続いており、最大ケーブル長100m、ハードウェアとソフトウェアの優れた互換性、簡単接続、低コストなどのメリットはそのままに、従来の約5倍のデータ転送速度を実現する5GigEが新たに登場しています。
低コストかつ拡張性が高い5GigEは、既存のCAT6Aケーブルを使用したシームレスな移行が可能であるため、大量データの高速・長距離転送が求められる産業用画像処理において大きな注目を集めています。Baslerでは、コンパクトな5GigE対応製品を豊富に取り揃えており、設置スペースが限られる用途においても、既存のシステムを最大限に活用しながら、5GigEへの移行にかかる労力を最小限に抑えることができます。

5GigEへの移行
GigEから5GigEへの移行:シンプルなシステム構成、コンパクトなカメラはそのままに、少ない労力でGigEの約5倍の高速データ転送を実現可能
USBから5GigEへの移行:ケーブルの延伸、複数のカメラの運用、安定したデータ転送、PTPの使用が可能
CoaXPress 1.0(CXP-6)から5GigEへの移行:一定のシステム変更は必要になるものの、CoaXPress 2.0(CXP-12)と同等の速度・拡張性を実現可能
産業用カメラインターフェースの詳細については、Vision Campusの記事「産業用カメラインターフェースの比較と選定のポイント」をご覧ください。
GigE対応製品
GigE対応ビジョンシステムを構築するなら、ビジョンシステムコンフィギュレーターが便利です。