漬物の塩分検査におけるSWIRカメラの活用
漬物の製造工程では、塩分を一定に保たないと発酵が適切に進まず、味や食感、製品の信頼性が低下してしまいます。以下では、SWIR(短波長赤外)カメラを活用し、塩分のわずかな変化を検出する方法について解説します。

課題:塩分のわずかな変化の可視化
表面の色や外観のみのでは、漬物の塩分(発酵状態)を正確に把握することはできません。従来の塩分検査装置は、非破壊検査が難しく、化学薬品を使用する場合もあるため、多くの時間や労力が必要でした。一方、マルチスペクトルイメージングにより、非破壊の状態で複数の波長帯域の画像を取得すれば、インラインの塩分監視とリアルタイムな塩分調整・品質均一化が可能になりますが、装置の開発コストと撮影後の画像の処理量が増大してしまいます。しかも、多くの食品製造現場において、このような複雑な撮影手法を導入する必要はありません。塩分検出に必要な波長帯域のみを捉えるSWIRイメージングであれば、よりシンプルかつ低コストな方法でインライン検査を実現できます。

SWIRカメラによる漬物の塩分の可視化
漬物の発酵状態を一定に保つには、表面の水分量から塩分を把握する必要があります。水は赤外光をよく吸収するため、SWIRイメージングを活用すれば、漬物表面の水分量から塩分を可視化できます。塩が漬物に浸透すると、表面に薄い水の膜が形成されますが、この水分量の変化を正確に測定するには、一般的な可視光カメラではなく、SWIRカメラを使用しなければなりません。さらに、SWIRフィルターや専用のSWIR照明を追加し、必要な波長帯域の光のみを分離することで、水分量の違いがよりわかりやすくなり、同じような見た目の漬物でも、塩分の分布状況を鮮明に捉えられます。
SWIRカメラによる塩分の分布状況の把握
SWIRカメラは、従来のカメラでは難しかった塩分の分布状況の把握が可能です。SWIR帯域における塩の光吸収・反射特性は、ほかの物質と大きく異なるため、SWIR波長の光のみを捉えることで、たとえ漬物の形状や水分量にバラつきあっても、塩分が十分・不十分な部分を含め、可視光画像では同じように見える部分の塩分の違いを正確に見分けられます。
このほか、SWIRカメラは、食品のインライン検査にも最適です。客観的かつ再現性の高い測定により、製造ラインの最高速度を維持したまま、塩分の分布状況を把握できるため、人間による目視に頼ることなく、ロット差を最小限に抑えられます。
可視光カメラでは捉えられない材料特性を可視化できることから、SWIRカメラを導入する食品メーカーが増加しています。品質管理においてインライン検査が重視されるなか、SWIRイメージングは、塩漬け、塩蔵、調味などの加工工程の一貫性を向上させる技術として注目されています。

食品の塩分検査におけるSWIRカメラの用途
漬物の塩分検査と同様に、塩分が品質に影響を及ぼす食品の加工工程においても、SWIRイメージングを導入することができます。
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