Basler racer GigE対応モデルによる
プリント基板の追跡管理の効率化
- 顧客
- Microscan Systems社
- 所在地
- アメリカ・ニューハンプシャー州ナシュア
- 日付
- 2013年
複数のプリント基板のバーコード読み取りをはじめ、最先端の電子機器の製造工程において、トレーサビリティの確保は欠かせません。以下では、柔軟なラインスキャン撮影とシームレスな追跡管理を実現するソリューションとして、Microscan Systems社製PanelScanにおけるBasler racer GigE対応モデルの導入事例をご紹介します。

課題:高速製造ラインにおけるバーコード読み取り
スマートフォン、タブレットなどの電子機器の小型化に伴い、プリント基板の微細化が進むなか、生産性の向上を目的として、複数のプリント基板を1枚のパネルに配置する「面付け(パネライズ)」を行ったうえで、製造の最終工程において基板を切り離す手法が導入されるようになりました。
面付け用のプリント基板とパネルには、個別のバーコードが付されています。しかし、これまでは手作業でバーコードを読み取っていたため、ミスや作業効率の低下につながっていました。
ソリューション:プリント基板のバーコード読み取りの自動化
電子機器業界において豊富な実績を持つMicroscan Systems社では、プリント基板のバーコード読み取りを自動化するターンキーソリューションを開発しました。プリント基板向け追跡管理システムPanelScanは、優れた操作性とセットアップ性を兼ね備え、ミスの多い手作業に代わり、製造ラインの最高速度を維持したまま、インラインでバーコードを読み取ることができます。

PanelScanによる高速バーコード読み取り
PanelScanを導入すれば、操作画面にプリント基板の行番号と列番号を入力し、ベルトコンベヤーに面付け済みのパネルを乗せるだけで、指定位置にあるすべてのバーコードを自動的に読み取ることができます。
PanelScanをセットアップする際は、カメラの下にパネルを配置した後、「Teach Layout」(レイアウト学習)をクリックし、パネル上にあるバーコードを読み取ります。バーコードが正しく読み取れない場合は、対象範囲の解像度を上げることも可能です。
読み取ったバーコードのデータは、自動的にログファイルに保存され、いつでも簡単に確認できます。

PanelScanによるラインスキャン撮影
PanelScanのベースとなるラインスキャンカメラは、1台で幅25.4cm、2台で幅45.7cmまでのパネルの撮影に対応しており、パネルの大きさに合わせて視野角を調整することで、すべてバーコードを正確に読み取ることができます。
照明については、線状光を集中照射して必要な光量を確保するライン照明を2台設置。パネルの前端が撮影範囲に入ると、回帰反射型光電センサーのトリガーに合わせて、ベルトコンベヤーの上部にあるカメラが撮影を行います。なお、撮影画像は、外部コンピューターで処理されます。
優れた性能、幅広い画素数に加え、弊社のマシンビジョンソフトウェアVisionscapeと簡単に接続できることも、Basler racerの魅力です。これら3つの特長は、racerを導入する大きな決め手となりました。
使用製品
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Omron Microscan Systems社について
Omron Microscan Systems社(旧Microscan Systems社)は、自動物体認識、マシンビジョン、追跡管理などの分野におけるリーディングカンパニーです。1982年にMicroscan Systems社として創業した後、2017年にオムロン社に買収され、オムロングループの傘下に入りました。現在はアメリカ・ワシントン州レントンに本社を置き、Microscan Systems社時代に長年培ったバーコード読み取り技術、マシンビジョン技術と、オムロン社が誇る幅広いオートメーション技術を統合し、世界各地で品質管理・欠陥検査・追跡管理向けの革新的なソリューションを提供することで、製造のスマート化と柔軟性向上に貢献しています。