スマートIoTセンサーを活用したエンベデッドビジョンシステム
スマートIoTセンサーの仕組み
カメラなどのIoTセンサーは、狭い帯域幅でしかクラウドに接続できない場合が多く、大容量の画像データの転送に時間がかかってしまうことが大きな課題でした。その解決策の一つとして、カメラセンサー上で画像データを解析したうえで、クラウドに転送する方法があります。この「エッジ処理」を利用すれば、たとえ帯域幅が非常に狭くでも、スムーズに撮影を行うことができます。
エンベデッドビジョンソリューションの詳細はこちらSTEP 1:エンベデッドビジョンシステムに最適なハードウェアの選定
業界賞を獲得したBaslerエンベッドビジョンキットを使用しました。キットの構成内容は、以下の通りです。
Basler dart MIPI対応BCON搭載モデル
96Boards™仕様のプロセッシングボード(Qualcomm®社製SoC Snapdragon™搭載)
96Boards™仕様のメザニンボード(カメラモジュールとプロセッシングボードを直接接続可能)
今回のソリューションにより、カメラモジュールが高フレームレートで撮影した画像データを、プロセッシングボード上で直接処理することが可能になりました。
Baslerエンベデッドビジョン製品の詳細はこちらSTEP 2:ニューラルネットワークの学習
ニューラルネットワークの中でも特殊なコンボリューショナルニューラルネットワーク(CNN)を採用し、さまざまなレゴフィギュア(大工、宇宙飛行士、コックなど)と交通標識の違いを識別させます。
Baslerでは、2種類のCNNにレゴフィギュアと交通標識を学習させました。学習済みのCNNの容量はわずか数メガバイトと非常に小さいため、帯域幅が狭い場合でも、クラウドからエッジデバイスにスムーズに転送できます。レゴフィギュア用のCNNが転送されると、エッジデバイスがレゴフィギュアを高い精度で識別し、狭い帯域幅でも少ないレイテンシーで識別結果をクラウド上にアップロードします。しかも、交通標識を識別させたい場合は、同じエッジデバイスに交通標識用のCNNを転送するだけで済みます。
エンベデッドビジョンソフトウェアの詳細はこちらエンベデッドビジョンソリューションのメリット
狭い帯域幅でもセンサーとクラウド間でスムーズな接続を構築できる
クラウド上のアプリケーションがセンサーからの情報を検知するまでのレイテンシーが少ない
OTAを利用できるため、複数のセンサーのリモートメンテナンス(センサーの設定変更、ファームウェアのアップデート、別の識別作業に使用するCNNの追加など)にも最適