ウエハー全面撮影による微細な表面欠陥の検出
半導体検査の高度化に対応
半導体の複雑化と需要増大に伴い、半導体検査の精度・スループットのさらなる向上が求められています。以下では、シリコンウエハーやガラス基板の大型化に対応しながら、優れた速度・解像度・信頼性を兼ね備えた外観検査(AOI)装置を開発する方法について解説します。
最終更新日: 2026/03/01

ウエハー全面撮影による微細な表面欠陥の検出
半導体製造の前工程では、ウエハー表面の広範囲にわたって微細な欠陥が発生するおそれがあるため、ウエハー全面撮影による表面検査が欠かせません。
また、プロセスノードの微小化やAI(人工知能)・EV(電気自動車)市場の拡大に伴い、これまでの以上の欠陥対策が求められいます。特にADAS(先進運転支援システム)、自動運転、航空宇宙などの分野では、わずかなチップ不良も許されません。そのため、微細な欠陥まで見逃さない徹底した表面検査を実施することが、最近の半導体製造の基本要件となっているのです。
微細な表面欠陥の種類
微細な表面欠陥とは、ウエハー上の目に見える不純物を指し、最終製品の性能・信頼性や歩留まりに影響を及ぼします。主な種類は、以下の通りです。
異物、汚れ
キズ、表面の損傷
曇り、シミ、変色
パターン欠陥、パターンのバラつき
微細な表面欠陥の検出が必要な工程
表面検査は、FEOL(Front-End-of-Line)の各工程の後に実施されます。主な工程は、以下の通りです。
リソグラフィ
エッチング
CMP(化学機械研磨)
微細な表面欠陥の検出が重要な理由
微細な表面欠陥を早期に検出することは、歩留まりの維持と後続工程の不良防止に欠かせません。また、廃棄や手直しの削減に加え、製造設備を保護するうえでも、表面検査は重要です。機械動作や工程処理によって設備内部に故障が発生した場合、予期せぬダウンタイムや修理コストの増大につながります。
微細な表面欠陥は、ウエハーやガラス基板のあちこちに隠れているおそれがあるため、検査範囲を限定するのは得策ではありません。そこで重要になるのが、全面撮影による徹底した情報収集です。広範囲にわたって欠陥を検出すれば、検査の一貫性とスループットを向上させることができます。
高速・高解像度によるウエハー全面撮影
単一撮影または高速スキャン撮影により、シリコンウエハー全体の高解像度画像を取得するウエハー全面撮影は、半導体の品質管理・工程監視・歩留まり分析に特に効果的です。
半導体製造におけるウエハー全面撮影の役割
ウエハーの位置特定・位置合わせ(ノッチ検出、能動的センタリングなど)
コード読み取りによるエンドツーエンドのトレーサビリティの確保
印字品質と構造的整合性の検証
検査フローの最適化、人的作業の削減
優れた拡張性による製造規模の拡大と設備の複雑化への対応
Baslerでは、外観検査装置のカスタマイズも承っています。厳しい要件を満たしながら、実際の仕様の範囲内で求められる性能を実現いたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。
お問い合わせはこちら300mmウエハー全面撮影向けビジョンソリューション
規模の大きさに加え、高い精度とスループットが求められる半導体の製造現場において、300mmウエハーの全面撮影を実施し、微細な表面欠陥を正確に検出することは決して簡単ではありません。しかも、画像の解像度が高いほど、処理にかかる負荷も増大するため、検査時の感度と速度のバランスを考慮する必要もあります。
広視野・高解像度で300mmウエハーの全面を撮影しながら、一貫した検査精度・速度・感度を実現するには、以下の3つのビジョンソリューションがおすすめです。

高解像度の単一撮影
メリット
一度の撮影で広視野・高解像度画像を取得し、100μmまでの微細な欠陥を検出
グローバルシャッターにより動体歪みを防止
フレームグラバー上で画像を前処理することで、フラットフィールド補正や歪み補正を高速化

マルチカメラ撮影+スティッチング
メリット
視野角を維持したまま、大型センサーの解像度を最大限に発揮
撮影距離が短く、検査装置の小型化が可能
スティッチングのための光学的キャリブレーションにも対応

ラインスキャン撮影
Basler TDIラインスキャンカメラ(16K)
メリット
移動ステージまたはロボットアームで搬送されるウエハーの高解像度画像を取得
TDIラインスキャンカメラが暗所撮影のSN比(信号対ノイズ比)を改善
フレームグラバー上で画像を前処理することで、フラットフィールド補正や歪み補正を高速化
上記のビジョンソリューションは、カメラのカスタマイズによるってさらなる性能の向上が可能です。カメラとフレームグラバーを最適に組み合わせて、画像の処理速度を向上させながら、検査範囲を拡大すれば、高速撮影においても優れたSN比を実現できます。
半導体検査の精度向上に関する事例紹介
Baslerでは、大型の高画素レンズをはじめ、外観検査装置の開発に必要なビジョン機器をワンストップでご提供しているほか、ご要望に応じて各種カスタマイズも承っています。半導体検査の精度向上に関する最新事例については、以下のページをご覧ください。
競争力向上に貢献するオーダーメイド形式のビジョンソリューション
適切なビジョン機器の選定は、検査の効率化と精度向上を図るうえで非常に重要です。Baslerでは、単なる既製のソリューションを提供するのではなく、個別の検査要件(表面形状・質感、欠陥サイズ、印字読み取りの必要性など)をお伺いしたうえで、お客様に合ったオーダーメイド形式のビジョンソリューションをご提案しています。
充実のカスタマイズサービス:ファームウェアの調整、フレームグラバーのプログラミング、相互運用性の確保により、半導体業界特有のニーズに対応
大型の高画素カメラ:画素数25~127MPのカメラを開発・製造することで、300mmウエハーを含む大型ウエハーの全面を正確に撮像
高速処理を実現する統合型ソリューション:カメラとフレームグラバー (boost、 ace 2 V +imaFlexなど)を最適に組み合わせることで、画像の前処理の効率化、フレームレートの向上、データ処理負荷の軽減を図りながら、高速かつ効果的な検査フローを実現
きめ細かな現地サポート:現地スタッフがお客様に寄り添いながら、技術的課題の迅速な解決、スムーズな装置導入、ダウンタイムの低減、プロジェクトの加速などを強力サポート
Baslerでは、カメラ、レンズ、照明、その他ソフトウェアをワンストップでご提供しています。トータルソリューションのご提案や個別のカスタマイズも可能ですので、ぜひお気軽にご相談ください。
半導体業界におけるウエハー検査の高度化
半導体の急速な進化に伴い、高度な外観検査に対するニーズが高まるなか、外観検査装置メーカーは、厳しい品質基準を満たしながら、新たな市場ニーズに対応することが求められています。

オンショアリング&現地化
グローバルサプライチェーンの混乱に伴い、2024年に米国CHIPS法が制定され、米国内で半導体を製造する企業に約527億ドルの補助金が支給されました。また、これを皮切りとして、欧州やアジアでも同様のインセンティブ施策が打ち出されるなど、半導体製造を現地化する動きが加速しています。

高性能な外観検査装置の開発
今後の半導体製造ニーズに対応するため、外観検査装置の開発への投資が活発になるなか、2027年以降の量産化に向けて、将来を見据えたビジョンソリューションが求められています。

ウエハーの大型化に伴う外観検査装置の進化
生産性の向上と製造コストの削減を目的として、半導体向けウエハーの大型化が進んだ結果、最新の300mmウエハーの全世界における使用率は約65%まで上昇しました。これに加え、電子機器の複雑化やICチップの小型化も進んでいます。このような状況において、外観検査装置の精度・感度・スループットを維持するには、高画素カメラと先進的なビジョンソリューションが欠かせません。

PLP(Panel-Level Packaging)の普及
AIやHPC(高性能コンピューティング)用途を中心に、高い性能と拡張性を求める声が高まるなか、半導体製造においてPLPの普及が進んでいます。現在このPLPのキャリア基板として、300mmウエハーの約3~5倍の使用可能領域を持つ角型シリコン基板(515mm角基板、600mm角基板など)の使用が検討されていますが、このような大型基板はコストやスループットの面で優れている一方で、面積が広くて均一性に対する要件も厳しいため、検査時により柔軟かつ高感度なカメラが必要になります。

自動化による作業の効率化
製造の自動化、人的作業の削減、予知保全を目的として、外観検査装置の簡易化と技術革新が引き続き求められています。
複雑化・高速化・大規模化が進む半導体業界のニーズに対応するには、大型ウエハーの撮影に加え、検査精度を維持したまま、解像度とデータ転送速度を向上させる先進的な外観検査装置を開発しなければなりません。
Baslerでは、ウエハーやガラス基板の全面撮影と高解像度の外観検査を可能にするオーダーメイド形式のビジョンソリューションをご提供することで、未来の半導体製造のあらゆるニーズに対応しています。
半導体検査の課題解決に関する事例紹介
リアルタイムな処理、優れた画質、最適な光学設計、AI対応のソフトウェアにより、正確かつ迅速な欠陥検知とシームレスなシステム構築を実現。半導体検査の課題解決に関する事例をご紹介します。










