エンベデッドビジョン:未来のスマート技術
パソコンやカメラなどの電子機器と同様に、画像処理の世界においても小型化・高性能化が進んでおり、エンベデッドビジョンが登場したことで、特定の作業に特化したシステムを低コストで構築できるようになりました。以下では、エンベデッドビジョンの定義や用途について解説します。
IoT向けエンベデッドビジョンシステムの開発
このウェビナーでは、IoT向けエンベデッドビジョンシステムの開発における3つの大きな課題を解決する方法について解説します。
エンベデッドビジョンシステムとAWSクラウドを連携し、エッジ機械学習による高度な画像処理を実現すれば、これまでにないスマートな製品・サービスを迅速に開発できます。
ウェビナーを視聴するエンベデッドビジョンの定義&役割
エンベデッドビジョンとは、スマートフォン、ドローン、ロボットなどの機器にカメラを組み込み、リアルタイムな画像取得・解析を可能にすることをいいます。この技術を利用したエンベデッドビジョンシステムは、光を電気信号に変換するイメージセンサー、データを処理するプロセッサー、処理結果に基づいて特定の作業を行うソフトウェアで構成されています。このようにして対象物や周囲の状況を可視化し、さまざまな判断を自動的に行えるようになれば、さらなる効率化・スマート化につながります。
エンベデッドビジョンシステムの仕組み
エンベデッドビジョンシステムは、カメラで取得した画像データを処理した後、人工知能(AI)や専用のハードウェア、ソフトウェアを使用して必要な情報を収集することで、物体認識、顔認識、動作分析、拡張現実などを可能にします。
エンベデッドビジョンシステムの構造
エンベデッドビジョンシステムは、画像データの取得・処理・出力を行う以下の機器から構成されています。
小型カメラ:光を電気信号に変換
プロセッシングボード:電気信号を処理した後、画像データとして外部に転送
ケーブル:カメラとプロセッシングボードを接続
組み込み技術の一種であるエンベデッドビジョンシステムは、汎用性の高い産業用コンピューターと異なり、特定の作業に特化しています。
エンベデッドビジョンの5つのポイント
コンパクトな設計により新たな用途を切り拓くことが期待されているエンベデッドシステム。しかし、そのような画期的な技術にも落とし穴は存在します。このビデオでは、専門家のThies Moellerより、エンベデッドビジョンシステムを構築・運用する際に間違いやすいポイントとその対策について解説しています。
エンベデッドビジョンの主な用途
エンベデッドビジョンは、安全性の向上や作業の自動化・効率化に貢献する技術として、これまでにないさまざまな用途に導入することができます。
医療・ライフサイエンス
高解像度撮影により内臓を含むさまざまな組織の病変検出に役立てられているほか、持ち運び可能な眼底カメラやダーモスコピーにも搭載されるなど、エンベデッドビジョンは幅広い医用イメージングに活用されています。主な用途には、臨床検査(X線検査、MRI検査)、患者のモニタリング・診断などがあります。
自動車
エンベデッドビジョンは、自動車業界の安全性と効率性の向上にも貢献しています。主な用途には、ADAS(先進運転支援システム)、自動運転、車室内モニタリング、物体認識(歩行者、交通標識の検知)などがあります。
ロボット
カメラによるナビゲーションや周辺環境の把握、複雑な作業が可能なロボットビジョンは、ロボット業界に革新をもたらしました。主な用途には、品質管理、検査・組立作業などがあります。
保安監視
エンベデッドビジョンを保安監視に導入し、カメラを使用して物体認識や動作追跡を行えば、怪しい人物を特定することができます。主な用途には、入退室管理、映像監視(分析・警告発出)などがあります。
エンベデッドビジョンの主なメリット
リアルタイム性:大量データを高速処理することで、自動運転などにおいてリアルタイムな判断とフィードバックを実現
省電力:電力消費が少ないため、スマートフォン、ドローンなどのモバイル機器に最適
コンパクト:用途にかかわらず、スペースの制約を受けない
低価格:構成機器の単価が安く、開発コストの削減が可能
省スペース&高性能 - 画像処理の未来を切り拓く新技術
多くのハードウェア、ソフトウェアから構成される汎用コンピューターと異なり、省スペース・軽量・低コストでありながら、特定の作業に特化した優れた性能を実現するなど、モバイル機器に適した革新的な技術として、さらなる普及拡大が期待されているエンベデッドビジョン。
今後もAI搭載によるスマート化・高性能化が進み、幅広い作業を効率化できるようになれば、業界を問わず、新世代の製品開発や企業の競争力強化に貢献していくことでしょう。