Camera Link
ビジョンシステムの画質・拡張性・撮影効率を左右するインターフェース。なかでも、Camera Linkは、大容量の画像データの転送に最適なインターフェースとして、長年にわたって広く採用されてきました。しかし、CoaXPress 2.0をはじめとする高速インターフェースが登場したことで、業界内でインターフェースの競争が激化しています。
Camera Linkについて
Camera Linkは、カメラとフレームグラバーの間で画像データを高速転送するために策定されたマシンビジョンインターフェース規格です。

技術仕様
転送速度:最大850MB/s(Full)
ケーブル長:最大10m(リピーターなし)
通信方式:独立した制御ラインによるパラレル通信
ケーブル種別:Camera Link専用のケーブルとコネクター
同期性能:リアルタイムに優れたハードウェアトリガー
Camera Linkのメリット&デメリット
メリット | デメリット |
|---|---|
業界規格として汎用性が高い リアルタイム性に優れている 信頼性に定評がある | ケーブル長が短い 最新インターフェースと比べて転送速度がやや遅い 電源ケーブルとデータケーブルの両方が必要 複数のカメラの運用が難しい |
CoaXPress 2.0 - 最新インターフェース
CoaXPress 2.0は、 高度な撮影用途向けに策定されたマシンビジョンインターフェース規格です。シリアル通信による高速データ転送に加え、柔軟なケーブル取り回しも可能であるため、高性能かつ非常にコンパクトなビジョンシステムを実現できます。

技術仕様
転送速度:最大4,800MB/s(ケーブル1本当たり1,200MB/s)
ケーブル長:最大40m
通信方式:高速データ転送が可能なシリアル通信
ケーブル種別:電源供給とデータ転送を同時に行うPower over CoaXPress(PoCXP)対応ケーブル
同期性能:複数のカメラを正確に同期可能
Camera LinkとCoaXPress 2.0の比較
Camera Link | CoaXPress 2.0 | |
|---|---|---|
転送速度 | 最大850MB/s | 最大4,800MB/s |
ケーブル長 | 最大10m | 最大40m |
電源供給 | 電源ケーブルが別途必要 | Power over CoaXPress(PoCXP)対応 |
同期性能 | 高い | 非常に高い(複数のカメラを運用可能) |
拡張性 | 低い | 非常に高い |
将来性 | 低い | 高い |
高度な撮影用途におけるインターフェースの活用事例
高速データ転送が求められる用途に広く採用されてきたCamera Link。しかし、CoaXPress 2.0が登場したことで、業界内でインターフェースを移行する動きが進んでいます。
例えば、CoaXPress 2.0対応ラインスキャンカメラの racer 2 L は、画素数16K・最大ラインレート120kHzに対応しており、バッテリーの製造監視など幅広い用途に活用されています。また、センサー性能を最大限に引き出せないCamera Linkと異なり、CoaXPress 2.0は、長距離ケーブルを介して複数のカメラを正確に同期できるため、将来性にも非常に優れています。
Camera LinkからCoaXPress 2.0への移行 - システムの性能向上とコスト削減
このホワイトペーパーでは、Camera LinkとCoaXPress 2.0の違いと移行のメリットについて、以下のトピックを中心に詳しく解説します。
Camera LinkとCoaXPress 2.0の比較
移行の際に考慮すべきポイント
システムコストの分析