電極のカレンダー加工におけるマシンビジョンの活用
正確な工程監視と信頼性の高い欠陥検出を実現
電極シート両面の銅箔・アルミ箔を圧延するカレンダー加工。以下では、マシンビジョンを活用してその工程をリアルタイムに監視し、早期に欠陥を検出することで、廃棄ロスを削減しながら、効率化と品質向上を実現する方法について解説します。

電極塗工の品質を左右するカレンダー加工
カレンダー加工は、電極塗工の厚み・均一性・接着性を大きく左右する工程です。塗工面を平滑にして密度を高めれば、後続の製造工程における塗工の安定性を向上させることができます。
電極塗工の品質管理におけるカレンダー加工の重要性
電極の塗工不良は、予期せぬ抵抗変化、接着不足、材料ムラだけでなく、全体的な製造工程と製品品質の低下につながります。
塗工不良を防止するには、電極シート両面の銅箔・アルミ箔を均一に圧延するカレンダー加工を行わなければなりません。この工程では、まず異物の付着を防止するために静電気を除電し、ブラッシングまたはエアブローにより塗工面の粉塵・残渣を除去した後、対向回転する上下のローラーの間に電極シートを通し、線状に圧力を加えていきます。その際、圧力の設定を変更することで、塗工厚みを調整することも可能です。

電極の塗工不良
連続塗工、間欠塗工などの塗工方式にかかわらず、電極塗工の工程では、さまざまな塗工不良が発生する可能性があります。
代表的な不良
a. ダマ
b. ひび割れ
c. ブツ(ゴミ)
d. 気泡
e. 泥状割れ
f. ピンホール
g. たれ
h. すじ
カレンダー加工における画像処理の導入
カレンダー加工に画像処理を導入し、塗工面を迅速に測定しながら、検査結果を保存すれば、品質管理を向上させることができます。
画像の前処理によるCPU負荷の軽減
ラインスキャンカメラのracer 2、 VisualApplets、フレームグラバーを組み合わせてビジョンシステムを構築し、ROI(関心領域)を設定したうえで、画像を 前処理すれば、解析に必要なデータ量が大幅に抑えられます。また、このようにしてCPU負荷を軽減することで、工程制御にリソースを回せるようになるため、製造ラインの最高速度を維持したまま、カレンダー加工を監視することができます。

pylonの専用ツールによる画像処理・解析
カレンダー加工の欠陥を検出した後は、pylonの専用ツールを使用してROI画像を処理・解析します。欠陥の分類(ひび割れ、剥離、凹凸など)には、従来型アルゴリズムをベースにしたpylon画像処理ツール、欠陥の範囲・大きさの正確な測定には、AIアルゴリズムをベースにしたpylon AI画像解析ツールがおすすめです。
欠陥の種類や大きさが把握できれば、塗工の状態が許容範囲内にあるか、追加の測定が必要かを判断できます。また、カレンダー加工後に欠陥の正確な位置を特定することで、電極の品質向上と不良率の低下にもつながります。
カレンダー加工にマシンビジョンを活用するメリット
高画素ラインスキャンカメラが塗工面のキズ・気泡・変色・異物・結露をリアルタイムに検出
pylon AIが画像解析の自動化、セグメンテーションと欠陥の分類(位置、形状、大きさごとに分類)、欠陥画像の重複検出をサポート
マシンビジョンとマイクロ波センサーを組み合わせ、さまざまな解像度による塗工面全体の連続厚み測定を可能にすることで、初期検査からサブミクロン単位の精密検査に至るまで幅広いニーズに対応
安定した画像解析により、塗工面のたわみや凹凸を正確に検出
アーヘン工科大学電動モビリティコンポーネント生産技術研究所について
アーヘン工科大学(RWTH)の電動モビリティコンポーネント生産技術研究所(PEM)では、バッテリーの全製造工程を網羅したパイロットラインの開発を中心に、長年にわたってリチウムイオンバッテリー製造に関する研究を行っており、Baslerをはじめ、産業界の各メーカーと緊密に提携しながら、各製造工程の継続的な改善に取り組んでいます。
また、同研究所は、その豊富なノウハウを外部にも提供しており、ドイツ国内外の産業プロジェクトや企業のバリューチェーン全体に貢献するだけでなく、さまざまな重要研究プロジェクトにおいても中心的な役割を果たしています。
使用製品
ご紹介したソリューションの導入には、以下の製品が最適です。

