活用事例

飲料缶の品質管理におけるpylon AIの活用

迅速かつ正確な計数・異常検知・倒缶検査

pylon AI画像解析ツールとビジョンシステムを組み合わせれば、ベルトコンベヤーで搬送される飲料缶の計数、倒缶検査(向きの異なる缶の検出)、異常検知(凹み、変形などの検出)から工程監視、良否判定に至るまで、飲料缶の品質管理を自動化・スマート化し、製造ラインの透明性と効率性を最大限に向上させることができます。

AIソフトウェアによる缶検査

微細欠陥、反射光、高速移動

微細欠陥の正確な検出、アルミ面の反射光への対応、高速で稼働する製造ラインの撮影をはじめ、飲料缶の品質管理におけるさまざまな課題を解決するなら、pylon AI画像解析ツールIP67対応ビジョンシステムの組み合わせがおすすめです。

欠陥のある缶

微細欠陥

飲料缶の品質を確保するには、ビジョンシステムによる微細欠陥(凹み、キズ、缶底の変形など)の正確な検出が欠かせません。特に高速で稼働する製造ラインの場合、欠陥のある缶のリアルタイムな識別高精度な良否判定が求められます。

アルミ材の反射光

アルミ材

多くの飲料缶に使用されるアルミ材は、光反射性が高く、画像の白飛びの原因になります。カメラと照明を調整し、反射光を最小限に抑えれば、画像解析の精度と信頼性が向上します

幅3mの大型ベルトコンベヤーで搬送される飲料缶

最大搬送速度2,000個/分

洗浄後の飲料缶は、幅3mの大型ベルトコンベヤーで搬送されます。飲料缶のサイズやベルトコンベヤーの仕様にもよりますが、一般的な製造ラインの搬送速度は1,200~2,000個/分です。

あらゆるインライン検査をサポートするAIソフトウェア

pylon AI画像解析ツールは、飲料缶の計数(物体認識による良品・不良品の計数)、異常検知(凹みなどの検出)、倒缶検査に最適です。これらのインライン検査を自動化すれば、製造工程の透明性確保と製品品質の向上につながります。

飲料缶の全数計数
信頼度スコア付きのバウンディングボックスによる画像内の飲料缶の正確な検出と位置特定

ベルトコンベヤー上の飲料缶の全数計数

飲料缶の効率的な量産に必要不可欠な計数。想定数に達しているかを正確に把握できれば、製造量の過不足防止につながります。

pylon AIの 物体認識ツール は、正常な缶と倒缶を含め、ベルトコンベヤー上の飲料缶の全数計数に最適です。飲料缶の重複撮影と二重計数を防止するには、ベルトコンベヤーの搬送速度に合わせてカメラのトリガータイミングを調整するとよいでしょう。

倒缶の識別
缶の向きに基づく良品(正常な缶)と不良品(倒缶)の識別

インライン工程監視による倒缶検査

pylon AI画像解析ツールとIP67対応ビジョンシステムは、向きの異なる缶の検出にも最適です。撮影はエリアスキャンカメラ(モノクロ)、良否判定はpylon AIの 分類ツールが行い、良品(正常な缶)と不良品(倒缶)を正確に識別します。

これに加え、pylon AIの物体認識ツールで収集した座標情報をロボットアームに転送すれば、重要な後工程(乾燥、塗装、印刷など)へ進む前に、指定したグリップ動作で倒れた缶を起こすことも可能です。

異常検知ツール
ヒートマップによる異常検知と色付け

高精度な異常検知による欠陥排除

飲料缶の缶底検査にpylon AIの 異常検知ツール を導入すれば、最終工程や出荷工程のさまざまな欠陥を排除できます。

このツールは、正常モデルとの乖離度を表示するヒートマップを採用しており、欠陥や異物のある部位が赤く色付けされた後、許容値に基づいて良品と不良品が識別されます。

飲料缶のインライン計数
物体認識ツールによるベルトコンベヤー上の飲料缶のインライン計数

インライン計数による量産の安定化

pylon AIの物体認識ツールは、ベルトコンベヤーで搬送される飲料缶を最大2,000個/分の速度でリアルタイムに計数できます。計数データをMES(製造実行システム)やWMS(倉庫管理システム)に転送すれば、在庫管理の精度向上や段取り替えの効率化にもつながります。

なお、要件に応じて、以下の2種類の計数方法を選択可能です。

  1. 倒缶や欠陥の有無にかかわらず、全数計数を行ったうえで、後工程において不良品を除外

  2. 欠陥のある缶を除外し、倒缶を起こしたうえで、良品のみを計数


本事例の画像処理手法の詳細をご希望の場合や、同様のシステムの導入をご検討の場合は、ぜひお気軽にご相談ください。

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サンプル画像を学習することで、画像内の特徴を自動的に抽出するAIは、パターン化されていない高度な解析に最適です。ルールベースの従来型アルゴリズムと比較してもそのメリットは明らかで、特に倒缶検査など柔軟な予測が求められる用途において安定した結果が得られます。
Santhirarajah Mathimugan
Santhirarajah Mathimugan
フィールドアプリケーションエンジニア | Basler AG

飲料缶の品質管理に最適なIP67対応ビジョンシステム

Baslerでは、完全互換のカメラとアクセサリーを取り揃え、水・汚れ・埃の影響を受けやすい過酷な環境下でも安定した撮像を実現するIP67対応ビジョンシステムの構築をサポートしています。

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過酷な環境下における飲料缶の品質管理

Baslerビジョンシステムとpylon AI画像解析ツールは、アルミ面の反射光や高速で稼働する製造ラインにかかわらず、異常検知(凹み、変形などの検出)・倒缶検査・計数を正確に実施し、製造工程に必要な情報をインラインで収集できるなど、洗浄後の飲料缶の品質管理に最適です。

  • AIによる異常検知

  • AIによる倒缶検査

  • 飲料缶のインライン計数

  • 優れた画質:IP67準拠の保護性能を誇るビジョンシステムにより、水滴・水気がある環境下でも安定した撮像を実現

飲料缶の品質確保だけでなく、製造工程の効率化と信頼性・柔軟性向上にも最適なソリューションです。

大型ベルトコンベヤーで搬送される飲料缶の品質管理
IP67対応ビジョンシステム(照明:バーライト×4台、撮影距離:1.8m)

最適なシステム構成による優れた画質の確保

検査速度・撮影距離・視野角を総合的に考慮しながら、エリアスキャンカメラ、レンズ、レンズ筐体、その他IP67対応アクセサリーを最適に組み合わせれば、過酷な環境下でも優れた画質を確保し、AI画像解析の精度と安定性を向上させることができます。

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