活用事例

高倍率撮影における一貫した色補正

撮影倍率にかかわらず、正確な色合いを再現

カラーチャートを使用した一般的な色補正は、色やパターンが固定されているため、高倍率撮影に対応できないおそれがあります。以下では、Baslerが開発したマイクロカラーキャリブレーションを活用し、色見本やカラーチャートの種類にかかわらず、高倍率撮影において一貫した色補正を実現する方法について解説します。

マイクロカラーキャリブレーションのデモ

マイクロカラーキャリブレーションの用途

色情報が重視される産業用画像処理では、色忠実性・色再現性の確保が必要不可欠です。特に高倍率撮影の場合、光学系やシステム構成の違いによる影響が大きくなるため、画像の色合いが安定しません。Baslerが開発したマイクロカラーキャリブレーションは、一般的な色補正では難しい安定した色再現が可能であるなど、要件が厳しい撮影用途に最適です。

semicon & PCB

半導体・プリント基板

色見本との照合において重要となる光学系・センサーごとのバラつき、照明ムラを補正。塗装の変色、はんだの酸化、フラックス残渣をはじめとする微細な欠陥を正確に検出します。
Display & Gemstone

ディスプレイ・宝石

色見本との比較により、照明ムラやサブピクセル単位の色合いの違いを補正。OLED/マイクロLEDディスプレイの画素均一性の確保や、宝石の微妙な色味の検出をはじめ、幅広い品質管理で大きな威力を発揮します。
Medical & Life Sciences

医療・ライフサイエンス

照明・染色液・その他機器に起因する色のバラつきを補正することで、組織の染色部位や細胞の異常、疾患マーカーを正確に検出。顕微鏡観察やデジタルパソロジーによる診断の信頼性を向上します。

一般的な色補正が高倍率撮影に適していない理由

一般的な色補正は、均一な照明の下でカラーチャートを一括撮影することが想定されています。しかし、高倍率撮影の場合、これらの条件を満たすことができません。

一般的な色補正:標準倍率撮影と高倍率撮影の比較
一般的な色補正:カラーチャートを一括撮影できない高倍率撮影の場合、全パッチを同時に読み込むことが困難

高倍率撮影における主な課題

  • 視野が狭く、カラーチャートの一括撮影が困難

  • 照明ムラが増幅

  • 光学歪みやセンサーの分光特性の違いによる影響が増大

高倍率撮影の色補正に関するお問い合わせはこちら

一般的な色補正の実務上の制約

マイクロカラーキャリブレーションの仕組み

マイクロカラーキャリブレーションは、カラーチャートを一括撮影する代わりに、各パッチを順番に読み込みします。

カラーチャートを一括撮影する代わりに各パッチを順次読み込み
カラーチャートを一括撮影する代わりに各パッチを順番に撮影

マイクロカラーキャリブレーションの処理フロー

  • 同一の照明・光学条件の下、各パッチを順次読み込み

  • 撮影画像と色見本のカラー値を比較し、補正値を算出したうえで、光学歪み、照明ムラ、センサーごとのバラつきを補正

マイクロカラーキャリブレーションのアルゴリズム処理

  • 撮影画像と色見本のカラー値をパッチごとに比較

  • Lab色空間上の色差ΔEを算出し、知覚的な色の違いを定量化

  • ホワイトバランス、色変換係数、ガンマ補正曲線を調整し、各パッチの色差ΔEを最小限に低減

マイクロカラーキャリブレーションによって算出した補正値は、画素単位で画像全体に適用されます。しかも、専用ソフトウェアを使用しているため、処理効率を維持したまま、色空間上の色差を低減できます。

補正結果のダウンロードはこちら
マイクロカラーキャリブレーションの強みは、その汎用性の高さにあります。多くの色補正手法は、高倍率撮影において不具合が発生することが少なくありません。カラーチャートを一括撮影する代わりに、各パッチを順番に読み込み、補正値を数学的に算出すれば、50倍以上の高倍率撮影においても、視野角やカラーチャートのサイズにかかわらず、1秒以内に正確に色補正を行うことができます。
Enso Tseng
Enso Tseng
システム解析エンジニア | R&D

まとめ:マイクロカラーキャリブレーションのメリット

高倍率撮影の色補正における主な課題と対策、マイクロカラーキャリブレーションを導入するメリットを以下の表に示します。

課題

対策

メリット

カラーチャートのサイズと視野角の不一致

各パッチを順次読み込み

カラーチャートのサイズにかかわらず、高倍率撮影でも色補正が可能

色空間上の色差

画素単位の色補正

色均一性・色再現性が向上

用途による目標色の違い

色見本合わせ

検査要件に応じて柔軟な色補正を実施

システムごとのバラつき

システム間の一貫性の確保

システムや環境にかかわらず、同一の結果を提供

色忠実性の検証

色差ΔEに基づく検証(Lab)

客観的な観点から知覚的な色の違いを補正

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