活用事例

360度スキャンによる貨物仕分け

ラベルの貼付位置にかかわらず、コード読み取りと文字認識を自動化

貨物、部材、商品、コンテナ、保管場所の識別をはじめ、イントラロジスティクスにおいてコードや文字の自動認識は欠かせません。しかし、従来のレーザースキャナーは、安定性と機能性の面で制約がありました。以下では、6面スキャンと画像処理に対応したラインスキャンシステムを構築し、ベルトコンベヤー上を流れる貨物の仕分けを行うことで、複数の1次元コード/2次元コードの一括読み取りと高精度なOCR(文字認識)を実現する方法について解説します。

全方向スキャンによる1次元コード/2次元コード読み取りとOCR(文字認識)

6面スキャンによる貨物撮影の全自動化

向きの異なるコード・文字を全方向から同時に読み取れる6面スキャンは、ベルトコンベヤー上を流れる貨物の仕分けに最適です。ラベルのキズ・数量に左右されない正確な読み取りにより、仕分け作業を自動化・効率化すれば、イントラロジスティクス全体の速度・生産性を大幅に向上できます。


貨物スキャンのカメラ構成
4台のエリアスキャンカメラを設置し、十分な被写界深度を確保しながら、5面スキャンを実現

十分な被写界深度による5面スキャン

一般的な物流ラインのベルトコンベヤーは、電子機器の製造ラインより遅いとはいえ、約1.5m/秒の高速で動いています。しかも、ベルト幅が約80cmあるため、撮影時に被写界深度(ピントが合って見える範囲)を十分に確保できません

このような課題を解決するには、4台のカメラをベルトコンベヤーの四隅に設置し、各カメラをベルトの中心部に向けて45度傾けます。こうすれば、貨物通過時にコードがカメラとレンズの被写界深度に収まります

最大被写界深度:4台のBaslerカメラによる5面スキャン
十分な被写界深度:貨物通過時の位置にかかわらず、コードがカメラの被写界深度に収まる

コードの最小エレメントと必要画素数

上記のシステムの場合、 Basler ace 2 R(a2A5320)Baslerレンズ(C12-1224-25M) の組み合わせがおすすめです。画素数が16MP以上あれば、細エレメント幅約0.5mm(1.5ピクセル)までのバーコードを正確に読み取ることができます

インターフェースについては、ケーブル長やプロセッサーにもよりますが、USB 3.0または5GigEが最適です。

ベルトの隙間からコードを読み取るラインスキャンカメラ(撮影距離:480mm、隙間の幅:0.2mm)
ベルトの隙間から貨物下面のコードを読み取るラインスキャンカメラ(撮影距離:480mm、隙間の幅:0.2mm)

小型ラインスキャンカメラのBasler racer 2 Sによる貨物下面のスキャン

貨物下面を含む6面スキャンが求められる場合は、ベルトの隙間からコードを1列ずつ読み取るラインスキャンカメラがおすすめです。29mm角のコンパクトなボディを誇るBasler racer 2 Sなら、ベルトコンベヤーの下の狭いスペースにも問題なく設置できます。

NEW

GigE/CXP-12対応の新型ラインスキャンカメラによる簡単セットアップ

次世代ラインスキャンカメラの Basler racer 2 S/Basler racer 2 L は、最新インターフェースのGigEとCoaXPress 2.0(CXP-12)に対応しており、これまでより簡単にカメラをセットアップできます。

  1. GigE対応ラインスキャンカメラ:画素を1列ずつ読み出すのではなく、複数の画素列を1フレームにまとめて読み出します。Basler GigE対応ラインスキャンカメラなら、pylon Software Suiteを介して簡単にセットアップできます。用途別のフレーム幅の設定方法については、Basler製品ドキュメントをご覧ください。

  2. CXP-12対応ラインスキャンカメラ:従来の高速撮影に導入されていたCamera Linkと比較して、ラインスキャンカメラの画像取得とパラメーター設定が簡易化されています。また、pylon Software Suite共通のユーザーインターフェースとして使用することで、カメラとフレームグラバーを一括設定できます。詳しくはBasler製品ドキュメントをご覧ください。


Basler racer 2の対応インターフェース

AIとルールベースアルゴリズムによる複数コード・文字の一括読み取り

マシンビジョンは、特にコード読み取りにおいて大きなメリットがあります。バーコードなどの1次元コードしか読み取れないレーザースキャナーと異なり、カメラと画像処理ソフトウェアを組み合わせたビジョンシステムであれば、複数のコードと文字を同時に読み取ることができます。

レーザースキャナーと異なり、画像ベースのコード読み取りにより、1次元コードと2次元コードの両方に対応

pylon画像処理ツールによる1次元コード/2次元コード読み取り

追跡・仕分け、トレーサビリティの確保を目的として、多くの貨物には1次元コードと2次元コードの両方が貼付されています。主に基本情報を格納する1次元コード(バーコードなど)と異なり、2次元コード(QRコードなど)情報密度が高いため、追加情報を表示できます。

プラグイン形式を採用しているpylon画像処理ツールなら、用途に応じて複数のコードリーダーを柔軟に組み合わせられます


高反射、低コントラスト、不均一な表面に対して優れた認識精度を実現するpylon AI画像解析ツール OCR Pro
COMING SOON

AIによる高精度かつ安定したOCRの実現

AIを活用すれば、歪み・かすれのある文字背景との区別が付きにくい文字を正確に読み取り、OCR(文字認識)の精度を向上させることができます。 pylon AI画像解析ツール OCR Pro は、以下のような対象物に最適です。

  • 高反射、低コントラスト、不均一な表面

  • 軟質袋

  • 向きの異なる対象物

  • 高速で移動する対象物


360度スキャン向け製品

お問い合わせ

製品・サービスに関するご不明点やご相談等がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

関連事例


‍お問い合わせ

Baslerの製品・サービスに関してご不明点がございましたら、いつでもお気軽にお問い合わせください。