ベニヤ選別におけるBasler boostの活用:エリアスキャンカメラによるラインスキャン検査
- 顧客
- MJV-Sähkö Oy/Lateral Engine Oy
- 所在地
- フィンランド・ラハティ/フィンランド・エスポー
- 日付
- 2019~2020年
フィンランド企業のMJV-Sähkö社とLateral Engine社は、高度な画像処理を実現するビジョンソリューションとして、CoaXPress 2.0(CXP-12)対応カメラのBasler boostと専用のBasler CXP-12インターフェースカード 1Cを採用したベニヤ選別装置を開発しました。

画像処理によるベニヤ選別
合板メーカー向けにベニヤ選別装置を提供しているMJV-Sähkö社。ベニヤの選別作業を自動化・効率化し、生産性を向上させるには、最新のビジョンソリューションを導入する必要があります。

ベニヤ選別における課題
従来のベニヤ選別装置に使用されているラインスキャンカメラは、導入工程が非常に複雑であるという課題があります。そこで、MJV-Sähkö社では、ベニヤの検査要件を満たすだけでなく、セットアップも簡単なエリアスキャンカメラの採用を検討することにしました。

ディープラーニングによるベニヤの正確な選別
今回のベニヤ選別装置では、ベルトコンベヤー上を流れる幅1800mmのベニヤを高解像度でラインスキャンした後、その画像を最先端のディープラーニングソフトウェアに転送して解析します。解析結果は後続の製造工程に送られ、品質に応じて切断や接合などの加工が行われます。
Baslerビジョンソリューション
Baslerでは、CoaXPress 2.0(CXP-12)対応エリアスキャンカメラのBasler boost(boa4096-93cc)と、専用のBasler CXP-12インターフェースカード1Cを組み合わせたビジョンソリューションをご提案しました。そのうち、カスタム製のインターフェースカードは、コンパクトかつ操作も簡単で、カメラと既存のベニヤ選別装置を安定して接続できます。

効率化に貢献するスマートなシステム構成
12.5Gbpsの広帯域幅を誇るCoaXPress 2.0インターフェースを採用することで、これまでにない高速・高解像度撮影を実現。ケーブル取り回しやセットアップが簡易化され、システムの信頼性が向上しただけでなく、全体的な運用コストの削減にもつながりました。
ラインスキャンの手法自体は従来と変わりません。しかし、Basler社と相談した結果、撮影にエリアスキャンカメラを使用したことは、これまでにない画期的な試みであるといえます。カメラとインターフェースカードをカスタマイズする際には、ROI機能により取り込みライン数を4ラインに抑え、フレームレートを2000Hzまで向上させることを目標として、エンコーダーインターフェースによるトリガーを採用しました。また、画像データをホスト側のソフトウェアに転送する前に、インターフェースカード上でスティッチングを行っていることも大きな特長です。
メリット
Basler boostの高画素CMOSセンサーによる高解像度撮影
CoaXPress 2.0(Basler boost+ Basler CXP-12インターフェースカード)による高速データ転送
Basler boostパッケージ(カメラと専用インターフェースカードのセット製品)によるコスト削減
12.5Gbpsの広帯域幅と最大40mのケーブル長による高速・長距離データ転送
お手頃価格で優れた画質を実現するCマウントレンズ
シンプルかつ柔軟なシステム構成
センサー全面を有効利用
ROI(関心領域)を自由に指定可能
従来のラインスキャンカメラより導入工程が大幅に簡易化
スティッチング、エンコーダートリガーなどの機能を追加できるカスタム製のインターフェースカード
使用製品
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MJV-Sähkö社とLateral Engine社について
MJV-Sähkö社とLateral Engine社は、ベニヤ選別装置をはじめ、ファクトリーオートメーション向けのトータルソリューションを提供しているフィンランド企業です。