センサー技術

画像処理におけるCCDセンサーの活用

光を電気信号に変換することにより、優れた解像度と色忠実性を兼ね備えた高画質画像を撮影できることから、一般的な写真撮影やビデオ監視、医療、その他画像処理に活用されてきたCCDセンサー。こちらでは、その機能や用途、注意点についてご覧いただけます。
CCDセンサー

CCDセンサーの構造と機能

CCDセンサーの仕組み

デジタルカメラに搭載されているCCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)センサーは、光を受けた半導体から電子が飛び出し、伝導体に励起される「光電効果」を利用することで、光を電気信号に変換します。光電効果により発生した電荷は、画素内のポテンシャルウェル ( 電位の井戸)と呼ばれる領域に蓄えられた後、縦方向と横方向にバケツリレー式に転送され、最後に一括で増幅されます。そして、アナログ電圧からデジタル信号への変換を経て、生の画像データ(一切の加工を行っていないセンサー由来のデータ)が生成されます。

産業用CCDカメラの用途と注意点

電子機器業界における画像処理

産業用画像処理や安全監視をはじめ、幅広い用途に活用されているCCDセンサーは、顕微鏡観察半導体検査など高い解像度と感度が求められる場合に特に適しています。

しかし、イメージセンサーの移り変わりは激しく、2015年に大手メーカーのソニー社がCCDセンサーの生産終了を発表すると、開発が止まったCCDセンサーの代わりにCMOSセンサーが大きく飛躍し、画質やコストの面でCCDセンサーと同等以上の性能を発揮するようになりました。

CCDからCMOSへの移行タイミング

CMOSセンサーの性能が向上したことに加え、CCDセンサーの入手が難しくなったことで、CCDからCMOSへ移行する動きが加速しています。移行作業は基本的にいつでも始められますが、画質の改善やカメラのコスト削減につながることを考えると、最適な方法を検討したうえで、できるだけ早めに移行するほうがよいでしょう。

移行の際に考慮すべきポイント

既存システムの刷新または新規システムの開発にかかわらず、以下に質問に対して1つでも「はい」があれば、CMOSへの移行をおすすめします。

  1. フレームレートの向上が求められている

  2. 照明条件の悪い場所での撮影が求められている

  3. 線状ノイズやブルーミング、スミアなどの画像の不具合に困っている

  4. システムのコスト削減が求められている

  5. 既存のセンサーが生産終了済みまたは生産終了予定である

‌‌CCDとCMOSの比較:2種類のセンサーの違い

この記事では、CCDセンサーとCMOSセンサーの特長や違いについて解説しています。ぜひご覧ください。

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