ディープラーニング向けビジョンシステム
産業用画像処理に革新をもたらしたディープラーニング(深層学習)。従来の手法が限界を迎えるなか、欠陥検知の精度向上、品質管理のスマート化、システムの自律化などを目的として、人工ニューラルネットワーク(ANN)やコンボリューショナルニューラルネットワーク(CNN)を導入する企業が世界中で増えています。以下では、コンパクトなエンベデッドビジョンシステム、高性能なFPGA搭載ビジョンシステム、柔軟の高いコンピュータービジョンシステムを比較しながら、用途に合ったディープラーニング向けビジョンシステムを構築する方法について解説します。
人工知能を活用した画像処理:
ディープラーニングと従来の手法の比較
このホワイトペーパーでは、画像処理におけるディープラーニングの活用方法について、以下のトピックを中心に解説しています。
産業用画像処理におけるディープラーニングの用途
ディープラーニングによる画像処理のメリット
ディープラーニングの導入コスト
複数のアプローチによるディープラーニングネットワークの最適化
ディープラーニングに適さない用途
ディープラーニング向けビジョンシステムの種類
ディープラーニング向け
コンピュータービジョンシステム
コンピュータービジョンシステムの特長は、優れた画質・セットアップ性と再現性の高い撮像にあります。Baslerでは、画像補正機能内蔵の高性能なカメラ、AI画像解析向けのソフトウェアツールをはじめ、コンピューターを活用したディープラーニングに最適な製品を幅広く取り揃えています。

優れた画質を誇るBaslerカメラ
ニューラルネットワークの推論性能は、画像データの質によって決まるため、高解像度撮影に対応したカメラが欠かせません。Baslerカメラには、以下のような特長があります。
豊富なラインナップ&選べるCMOSセンサー
各種インターフェース(GigE、USB 3.0など)に対応
画像補正機能(デベイヤリング、シャープネス、ノイズ除去など)を内蔵し、ホスト側のCPU負荷を軽減
再現性の高い撮像

総合ソフトウェアパッケージ
pylon Software Suite
各種カメラインターフェース向けの認証ドライバー、簡単操作のプログラミングインターフェース、便利なカメラ設定ツールなどがセットになったpylon Software Suiteは、幅広いOS(Windows、Linux、Linux ARM、macOS、Android)に対応しており、システム環境にかかわらず、Baslerカメラのセットアップとディープラーニングの導入に最適です。
pylon Software Suiteの詳細はこちらディープラーニング向け
FPGA搭載ビジョンシステム
ディープラーニングに高速データ転送とリアルタイムな処理が求められる場合は、FPGA搭載フレームグラバーをベースにしたビジョンシステムがおすすめです。

ニューラルネットワークの運用に便利な
FPGA画像処理開発環境VisualApplets
VisualAppletsを活用すれば、データの規模・構造にかかわらず、学習済みのニューラルネットワークをFPGAに直接実装し、スムーズに運用できます。しかも、TensorFlowをはじめとする一般的な機械学習ライブラリーに対応しているため、ニューラルネットワークの再学習も非常に簡単。このほか、画像の前処理・後処理機能を追加することも可能です。
VisualAppletsの詳細はこちら
学習済みニューラルネットワークの
FPGAへの実装
FPGA上でニューラルネットワークによるディープラーニングを行うお客様向けに、便利なランタイムライセンスと用途に応じて選べる2種類のサービスパッケージをご用意しています。また、既存のニューラルネットワークの実装だけでなく、速度・精度要件に合わせて新規のニューラルネットワークを構築し、FPGA上で運用することも可能です。
フレームグラバー&FPGAプログラミングサービスの詳細はこちらディープラーニング向け
エンベデッドビジョンシステム
NXPセミコンダクターズ社、NVIDIA社など大手メーカーのプロセッサーに対応したエンベデッドビジョン製品や、迅速かつ効率的なプロトタイプ開発を実現するエンベデッドビジョンキットを取り揃え、カメラモジュールの選定から柔軟なエッジ処理に至るまで、経験豊富な開発チームがディープラーニング向けエンベデッドビジョンシステムの構築をトータルにサポートいたします。

ディープラーニング向け
エンベデッドビジョンシステムの特長
省スペースかつコンパクトなシステムを実現
ムダのないハードウェアでシステムのコストを削減
高い拡張性を誇る大手メーカーのプロセッサーを選択可能
業界で定評のある製品寿命の長いハードウェアを使用

クラウドやエッジを
利用したディープラーニング
プロセッサーの種類にかかわらず、ディープラーニングの運用に必要なドライバーパッケージとソフトウェアをご提供しているほか、Amazon Web Services(AWS)、Microsoft Azure、Google Cloud Platformによるシステムのクラウド化もサポートしています。エッジ処理が可能なニューラルネットワークの構築もおまかせください。Baslerのエンベデッドビジョン技術を利用すれば、エッジ側でディープラーニングを行う分散型ビジョンシステムを運用することも可能です。