画像データのロスレス圧縮
コンプレッションビヨンドに関するよくあるご質問(FAQ)
低コストで長距離データ転送を実現するだけでなく、カメラインターフェース規格のGigE Visionや次世代規格の5GigE、10GigEも登場するなど、コンピュータービジョンシステムに最適なインターフェースとして産業用画像処理に広く普及しているギガビットイーサネット(GigE)。Basler ace 2 PROには、GigEの帯域幅を最大限に活用しながら、データ転送速度を向上させるコンプレッションビヨンド機能が搭載されています。その詳細について、よくあるご質問(FAQ)をインフォグラフィックにまとめましたので、ぜひご覧ください。
インフォグラフィックをダウンロードする1. コンプレッションビヨンドとは、どのような機能ですか? GigEの帯域幅を有効利用するためのカメラ内蔵型機能です。pylonビューワーから設定いただけます。
2. コンプレッションビヨンドには、どのようなメリットがありますか? 既存のGigEの帯域幅を簡単に拡張することができます。
3. コンプレッションビヨンドは、どのような圧縮方式を採用していますか? 画像データの重複部分を除外するロスレス圧縮を採用しています。なお、重複部分が多いほど、圧縮率は高くなります。
4. どの程度まで帯域幅を拡張できますか? 重複部分があるかを含め、画像のデータ構造にもよりますが、2~3倍まで拡張することが可能です。
5. コンプレッションビヨンドを使用することで、画質に影響しますか? ロスレス圧縮を行うため、画質に影響を与えることはございません。また、画質よりデータサイズを重視される場合は、ロッシー圧縮を選択することも可能です。
6. コンプレッションビヨンドを使用することで、CPU負荷に影響しますか? 多くの場合、CPU負荷は最小限に抑えられます。以下の表に示す通り、ロスレス圧縮はメモリー使用率にほとんど影響せず、CPU使用率の増加も3%程度にとどまっています。
試験機:ace 2 PRO GigE対応モデル(a2A5328-4gmPRO)
コンプレッションビヨンド | 圧縮率 | FPS | 帯域幅 | CPU使用率 | メモリー使用率 |
---|---|---|---|---|---|
オフ | N/A | 4.2 | 102.8 | 17-34% | 48% |
オン:ロスレス圧縮 | 70%(ロスレス) | 6 | 36.7 | 28-37% | 49% |
オン:ロッシー圧縮 | 0%(固定) | 4.8 | 51.5 | 36-48% | 48% |
7. コンプレッションビヨンドを使用することで、データ転送の精度に影響しますか? コンプレッションビヨンドがデータ転送の精度に影響を与えることはございません。社内の画像処理試験においても、データ転送に関して高い信頼性が得られています。
標準偏差の算出結果(100枚の画像に対してパターンマッチングを実施)
コンプレッションビヨンド | 圧縮率 | X座標 | Y座標 |
---|---|---|---|
オフ | N/A | 0.011 | 0.01 |
オン:ロスレス圧縮 | 70%(ロスレス) | 0.012 | 0.023 |
オン:ロッシー圧縮 | 50%(固定) | 0.009 | 0.015 |
標準偏差 | 0.003 | 0.013 |
8. コンプレッションビヨンドは、どのカメラモデルで使用できますか? コンプレッションビヨンドをはじめとするBasler独自の画像処理機能は、ace 2 PROの全モデルでご使用いただけます。
9. GigE、GigE+コンプレッションビヨンド、5GigEの3種類を比較した場合、どれが一番おすすめですか? いずれの選択肢もメリットとデメリットが存在するため、コスト・画質・時間の3つの要素を総合的に考慮して判断する必要があります。詳しくはインフォグラフィックをご覧ください。
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