ソニー社製ICX618センサー搭載CCDカメラからの完全移行が可能な新型CMOSカメラ
ソニー社製CCDセンサーの生産終了を受け、画像処理システムを使用している企業では、同センサー搭載カメラの後継機となるカメラの選定に苦労しています。CCDからCMOSへの移行に関して業界をリードしているBaslerにおいても、旧型CCDカメラからの移行に最適な高性能CMOSカメラを幅広く取り揃えていますが、ICX618センサー搭載カメラの完全代替機となるモデルはありませんでした。
このような状況を受け、Baslerでは、今回業界で初めて同センサー搭載カメラと全く同じ特性を有するカメラを新たにリリースしました。新登場のace Uモノクロモデル(acA640-121gm、画素数:VGA、最大フレームレート:130fps)には、Baslerの新しいアルゴリズム(特許出願中)が採用されており、カメラのEMVAデータに影響を与えることなく、ace classicのICX618センサー搭載モデル(acA640-120gm)と同じ光学性能を実現しています。また、センサーについても、優れた画質を誇るソニー社製Pregiusシリーズの第2世代CMOSセンサーを採用しているため、既存の光学仕様やシステムを変更する必要がなく、コスト削減につながります。このほか、供給期間が長いことも大きな特長です。
テスト用カメラを申し込む画像の比較
以下の比較画像が示すように、新モデル(acA640-121gm)は、ICX618センサー搭載カメラと全く同じ性能を実現しています。
画像の比較 1
図1Aと図1Bを比較すると、図1AのacA720-290gmのほうが図1BのacA640-120gmよりも視野角(FOV)が広くなっています。一方、図1Bと図1Cの画質に差異はありません。撮影距離やレンズ、画像処理システムに変更を加える必要がないことを考慮すると、図1CのICX618代替センサーを搭載したacA640-121gmが移行に最適であることがわかります。
画像の比較 2
図2BのacA640-120gmと図2CのacA640-121gmの画像は、撮影距離、解像度、撮影範囲がすべて同じです。しかし、図2AのacA720-290gmの画像には明らかな違いが見られ、補正に多くの時間とコストがかかります。一方、完全代替モデルであるacA640-121gmを使用すれば、技術的な調整を一切行うことなく、スムーズな移行が可能です。
画像の比較 3
輝度値のヒストグラムを比較した場合でも、図3Aと図3Bに明らかな違いがあることがわかります。図3Bと図3Cのヒストグラムはほぼ同じですが、図3Aのヒストグラムは図3BのICX618センサー搭載カメラのものとはかけ離れており、特に輝度値255付近の白いエリアでは、画像内の多くの部分が露光過多になっています。
acA640-121gmをICX618センサー搭載カメラの後継機に採用すれば、ほぼ同じ性能をムダなく実現でき、しかも例に示したIMX287センサー搭載カメラなどのICX618センサー搭載カメラとやや異なる特性を持つカメラと比較すると、移行にかかる労力も少なく済みます。