製造現場の搬送自動化に貢献する自律型物流ロボット
3Dカメラとコード読み取りにより、スマートな搬送と追跡管理を実現
- 顧客
- Magazino社(Jungheinrichグループ)
- 所在地
- ドイツ・ミュンヘン
- 日付
- 2023年
Magazino社製自律型物流ロボットSOTOには、Basler 3Dカメラとベルトコンベヤー付き回転グリッパーが搭載されており、コンテナボックスの把持・回転・配置だけでなく、コンテナボックスの保管位置などの情報を含むコードの読み取りにも対応するなど、製造現場の搬送自動化と追跡管理に貢献しています。

製造現場の搬送自動化
製造現場の自動化が進んでいるとはいえ、いまだに荷物の積み降ろしを手作業で行っている企業は少なくありません。既存のけん引車やAMR(自律走行搬送ロボット)と異なり、Magazino社製自律型物流ロボットSOTOは、人間が介入することなく、倉庫にあるコンテナボックスを製造ラインへ全自動で搬送することができます。

コンテナボックスの正確な積み降ろし
SOTOの大きな特長は、コンテナボックスの把持・回転・配置を行う2本のベルトコンベヤー付き回転グリッパーにあり、搬送先(移動ラック、けん引車、製造ラインなど)の位置・高さや、コンテナボックスの長辺側・短辺側の向きにかかわらず、正確な積み降ろしが可能です。

ToFカメラによる
高精度なグリッパー制御
SOTOのグリッパーは、2台のTime-of-Flight(ToF)カメラの奥行きデータに基づいて制御されています。そのうち、SOTOの後方にあるBasler ToFカメラは、積み降ろしの際にコンテナボックスとの距離(10cm~1.5m)をリアルタイムに測定し、グリッパーの停止位置の座標を特定することで、ミリ秒単位の精度でグリッパーを移動させます。
一方、SOTOの上部にあるBasler ToFカメラは、把持中にコンテナボックスが傾いた場合、片方のグリッパーの移動速度を増減し、グリッパーの把持位置を微調整することで、コンテナボックスの正確かつスムーズなピックアンドプレースを可能にします。
グリッパーを正確に制御するには、3Dカメラが必要不可欠です。Basler社のTime-of-Flightカメラblazeは、弊社にとってまさに理想的な製品でした。
二重露光&HDR機能による
反射光への対応
照明条件が変化する製造現場では、周囲の反射光(特に鏡面反射)が撮影の大きな妨げとなります。
Basler ToFカメラには、露光時間の異なる2枚の画像を重ね合わせる二重露光モードと、細かな明暗差を再現するHDR機能が搭載されているため、対象物の素材・距離・反射性にかかわらず、正確なポイントクラウドを生成できます。
このように、製造・物流環境による照明条件の変化にかかわらず、一貫した画質を実現するなら、Basler ToFカメラは特におすすめです。
バーコードとQRコードによるコンテナボックスの追跡管理
2Dカメラを使用してコンテナボックスのバーコードとQRコードを読み取れば、製造工程の全体にわたってトレーサビリティを確保することができます。

コード読み取りによるコンテナボックスの追跡
コンテナボックスのコードを2Dカメラで読み取れば、保管場所、搬送先、ロット番号などの情報を倉庫管理システムに転送できます。SOTOは、コンテナボックスのあらゆる動きを記録するため、Basler ace 2のモノクロモデルを使用してコードを読み取ります。

Magazino社について
2023年にJungheinrichグループの傘下に入ったMagazino社(本社:ドイツ・ミュンヘン、従業員数:約130名)は、欧州屈指の先端ロボット開発チームを有する企業として、周辺認識・自律判断・物体把持が可能なスマートロボットの開発・製造を行っています。同社の自律型物流ロボットは、eコマース、ファッション、モノづくりなどの現場に導入されており、人間との協働による搬送の効率化・柔軟性向上に貢献しています。