カメラによる撮影からホストコンピューターでの結果表示に至るまで、画像処理にはさまざまな工程がありますが、なかでもフレームグラバーによる前処理は非常に重要な役割を果たしています。用途に応じて画像データを最適化し、転送時のロスを効果的に防止すれば、後続の処理を含め、システム全体の運用をスムーズに行うことができます。
前処理を行う目的は、画像内の見えにくい部分や後続の処理(範囲設定、セグメンテーション、特徴抽出など)に必要な部分を強調して可視化することにより、最終的なホスト側の負荷を軽減することにあります。また、通常の前処理では、生画像に対して関心領域(ROI)の設定、JPEG圧縮などを行いますが、これらにはついては後ほど解説します。
前処理の具体的な内容は、カメラセンサーの撮像性能に大きく異なります。簡単操作のFPGA画像処理開発環境VisualAppletsを使用して画像の前処理・全般処理にかかわる機能を実装し、フレームグラバーのFPGA上またはカメラ、ビジョンセンサーをはじめとするビジョンハードウェア上で各種処理を行えば、リアルタイムな撮影が可能なエンベデッドシステムを構築できます。