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お使いのカメラに合ったレンズの選び方

鮮明で高画質な画像を撮影するには、良いカメラだけでなく、そのカメラに合ったレンズも必要です。しかし、市場には星の数ほどのレンズが存在しています。コンパクトデジタルカメラには固定レンズが取り付けられているのが一般的ですが、一眼レフカメラの場合は交換レンズを使用することにより、様々な状況に応じて最高の画像を撮影できます。レンズの種類によって、解像度や視野角、サイズだけでなく、その構造にも違いがあります。また、マシンビジョンカメラには特有の「問題」と適したレンズがあります。以下の記事では、状況に応じてどのようなレンズが適しているのかをご説明していきます。

レンズの種類

レンズ選びのポイントをご説明する前に、まずはどのような種類のレンズがあるのかを把握しておく必要があります。一般的なレンズにはエントセントリックレンズ、テレセントリックレンズ、広角レンズ、魚眼レンズがあり、これらのほかにも近赤外線用の特殊なレンズが存在します。

ここでは、マシンビジョン用途で主に使用されているエントセントリックレンズに焦点を絞って見ていきます。標準的なエントセントリックレンズは、レンズとセンサーの視野角が固定されています。この視野角は人間の目と似ており、遠くにある物は小さく、近くにある物は大きく見えます。最も一般的なエントセントリックレンズは、人間の目の中にあるのです。

レンズの種類

レンズ選びで考慮すべきポイント

1. センサーサイズとイメージサークル

レンズ選びの際には、センサーサイズが最も重要なポイントとなります。特に高解像度のエリアスキャンカメララインスキャンカメラには、低解像度のカメラよりも大きなセンサーが搭載されています。センサーサイズについて厳密に規定している規格はなく、解像度やセンサーのピクセルサイズによって大きさが決定します。理論上、どんな大きさのセンサーでも製造することは可能ですが、価格のみが問題となります。

センサーサイズはインチで表されますが、歴史的な経緯から1インチは25.4mmではなく16mmに相当します。

様々なセンサーサイズ
様々なセンサーサイズ

1.1 マウント

マウント
By Hustvedt (Own work) [GFDL or CC BY-SA 3.0], via Wikimedia Commons

カメラ本体とレンズの間には、マウントと呼ばれる接続機構があります。マウントには規定のサイズがあり、カメラ本体のレンズ装着部の形状によって種類が異なります。

例えば、マシンビジョンカメラで最も一般的なCマウントは、対角線長が20mm以下のセンサー(センサーサイズ1.5インチに相当)に対応しています。大型センサーの場合は、Fマウントが通常使用されますが、この種類のマウントは産業用マシンビジョン用途ではあまり使用されていません。産業用マシンビジョン用途では、小型センサーに適したC/CSマウントやSマウントを使用することが一般的です。Sマウントレンズは、1/2インチ、1/3インチまたはより小さいセンサーに使用されます。CマウントレンズをCSマウントの本体に取り付けるためには、5mmの変換リングが必要になります。しかし、他のマウントの場合はこのような変換方法がなく、CSマウントレンズをCマウントのカメラに取り付けることはできません。

1.2 イメージサークルの大きさ

「イメージサークル」とは、「口径食」と呼ばれる画像周辺部に影ができる現象を起こすことなく、レンズを通った光が当たるセンサー面のこと指します。

センサーサイズと同様に、イメージサークルもインチで表されます。1/3インチのセンサーを搭載したカメラは、1/3インチのCマウントレンズとの組み合わせが理想的で、こうすることでイメージサークルを十分に活用できます。しかし、同じレンズを1/2インチセンサーを搭載したカメラに取り付けた場合は、口径食が起こる可能性があります。

2/3インチレンズと1/3インチセンサーを組み合わせて同じ焦点距離で撮影を行った場合、口径食は発生しませんが、視野角が変わってきます。大きなレンズを使用すると、原則としてイメージサークルも大きくなり、画像中心部から周辺部のシャープネスが均一になることから、メリットになる場合もあります。

しかし、イメージサークルの大部分を活用できていない状態になるため、コストパフォーマンスが低下します。つまり、レンズの大きさは重要ではなく、センサーサイズによって撮影対象物の大きさが決まるのです。そして、レンズが大きくなるほど、コストもかさみます。センサーが小さい場合は、それに合った小さなレンズを使用しなければなりません。

1.2 イメージサークルの大きさ

イメージサークルの大きさは、必ずセンサーサイズ以上にする。

2. 解像度とピクセルサイズ

解像度とピクセルサイズ

解像度の高い画像を撮影するには、解像度の高いレンズが必要です。

しかし、本当の意味で解像度の高い画像を撮影するには、メガピクセル数以外の要素も考慮する必要があります。つまり、そのような小さなサイズのピクセルでも表示できるレンズを選ぶということです。1mm当たりのラインペア数で表されるレンズの解像度は、1mmの中に分離して見えるラインペアが何本存在するかで決まります。識別可能なラインペア数が多いほど、レンズの解像度は高くなります。

画像の中央から境界までにおけるレンズの解像能力はMTF(変調伝達関数)で表され、不明な場合はメーカーに問い合わせることができます。MTF曲線を計算する際には、白と黒の線を徐々に細くしていきながら撮影を行い、テストチャートを作成します。このチャートでは、判別可能なラインペアの数によって最高解像度が決まり、これを1mm当たりのラインペア数(lp/mm)で表します。

レンズの解像度から表示可能なピクセルサイズが判断できます。そして、ほとんどの場合、どれだけのピクセル数を表示できるかはレンズによって決まります。

解像度が5メガピクセル(500万画素)のセンサーの場合、5メガピクセルすべてを表示できるレンズが必要となります。

レンズの解像度は1mm当たりのラインペア数(lp/mm)で表されます。
レンズの解像度は1mm当たりのラインペア数(lp/mm)で表されます。
一般的な解像度のテストチャート
一般的な解像度のテストチャート

センサーのピクセルサイズに合った解像度を持つレンズを選ぶ。

備考:メガピクセル

一般消費者向けのカメラやスマートフォンのメーカーの多くは、製品のメガピクセル数の大きさをアピールします。これは、メガピクセル数が大きいほど解像度も高くなり、最高の画像を撮影できるということを表しています。しかし、実際にはきちんと合うレンズがなければ、メガピクセル数が大きくても十分な性能を発揮できません。高品質なレンズは価格が高いため、多くのメーカーはレンズのコストを抑えようします。例えば、20メガピクセルの解像度を持つスマートフォンの撮影画像がブレている場合、メガピクセル数が大きいセンサーを使用したとても、単にブレた部分を拡大することしかできません。しかし、5メガピクセルの解像度を持つカメラに高品質なレンズを組み合わせた場合、たとえメガピクセル数が小さくても、撮影した画像は明らかに鮮明になります。

通常、産業用画像処理に使用するセンサーの解像度はVGA(0.3メガピクセル)から5メガピクセルの間です。少なくともCマウントカメラについては、解像度が高くても意味がありません。解像度が高いと1つのピクセルが小さすぎてノイズも多くなるため、必要な測定や検査ができないのです。

3. 焦点距離とセンサーサイズの関係

レンズの光学中心から焦点までの長さのことを焦点距離と言います。すべての平行入射光は焦点で交差するため、レンズの焦点距離はレンズの反射性によって決まり、mmで表されます。

焦点距離が長くなるほど、望遠タイプのレンズとなります。スポーツカメラマンやパパラッチが持っているような巨大なレンズは、一般消費者向けのカメラのレンズと比べて明らかに長い焦点距離を持っています。反対に、広角レンズや魚眼レンズでは焦点距離が短くなります。

焦点距離はセンサーの大きさ、対象物とレンズの距離、撮影距離によって決まります。ほとんどレンズサプライヤーは自社のホームページで計算ツールを提供しており、焦点距離を算出することができます。

焦点距離とセンサーサイズの関係
様々な焦点距離で撮影した画像の例 様々な焦点距離で撮影した画像の例

センサーのサイズや各用途の条件に合わせて焦点距離を変える。

4. 絞りと照明条件

カメラの絞りは画質と明るさに直接影響します。絞り値(F値)とは焦点距離をレンズ口径で割った値のことで、絞りの開き具合を表します。

F値が大きいほど絞りは狭くなり、センサーに届く光の量が少なくなります。絞りが広く開いた状態だと、センサーに届く光の量が増えるため、高画質な画像を撮影するために必要な照明の量が少なくすみます。

照明条件が悪い場合は、絞りを大きく開くと効果的です。

絞りを狭くする場合は、メリットとデメリットの両方が生じます。口径食などの問題が減り、焦点深度は大きくなりますが、絞りを狭くしすぎないように注意しなければなりません。絞りが狭すぎると、絞り羽根によって入射光が回折され、小絞りボケが起きてしまい、画質に悪影響を与えます。

そのため、各レンズには最適なF値がありますが、これは実際のところ、小絞りボケの発生を最小限に抑えつつ、焦点深度を最大限まで利用可能な状態を表した値なのです。

絞りと照明条件
F値が小さいほど焦点深度は大きくなりますが、絞りが狭すぎると小絞りボケが起きてしまいます。そのため、最適な絞り値を把握することが重要です。 F値が小さいほど焦点深度は大きくなりますが、絞りが狭すぎると小絞りボケが起きてしまいます。そのため、最適な絞り値を把握することが重要です。

実際の用途における照明条件に応じて絞りを適切に調整する。

チェックリスト

上記を十分に理解したうえで、以下の質問にお答えください。

  • レンズマウント:お使いのカメラとレンズのマウントは合っていますか(Cマウントなど)?
  • 解像度:レンズの解像度はセンサーの解像度に合っていますか?

  • 焦点距離:焦点距離はセンサーのサイズや用途に合っていますか?
  • イメージサークル:イメージサークルの大きさがセンサーサイズ以上になっていますか?
  • 絞り:絞り値は撮影場所の照明条件に合っていますか?

チェックリストのすべての項目に対する回答が「はい」になりましたか?

お疲れ様です。これでお使いのカメラと用途に合ったレンズが見つかりました。