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ロボット業界におけるカメラの活用 - 性能向上のための取り組み

機械やロボットに撮影機能を追加し、性能を向上させれば、用途の幅がさらに広がります。では、ロボットとカメラを組み合わせたビジョンシステムによって生まれる新たな用途、そしてシステム構築に際して考慮すべきポイントとは何でしょうか。

安定した精度と速度を有するロボットは、どんな単純作業でも時計のような正確さでやり続けることができます。欧州規格EN775では、ロボットを「自動的に制御され、再プログラムが可能で、かつ一定水準の自由度を有する多目的機器」と定義しています。近年、ロボットはその高い性能により、非常に有用かつコスト削減に貢献する機器として多くの業界において確固たる地位を確立し、世界中で普及が進んでいます。国際ロボット連盟(IFR)の報告書によると、2018年における世界のロボット生産台数は42万2,000台で、売上高は165億ドルに達しました。IFRでは、2019年も2018年と同程度の成長が続くと見込んでおり、2020年から2022年にかけての平均成長率に至っては、12%という非常に高い水準に達すると予想しています。なかでも、柔軟性の高いロボットを積極的に導入している国がシンガポールで、2018年の数値を見ると、従業員1万人当たり831台のロボットを配置しています。一方、ドイツについても、従業員1万人当たり338台と、世界第3位に付けています。このように、特に人件費の高い国々では、コスト削減や大量生産に必要不可欠なオートメーション化を進めるうえで、ロボットが重要な役割を担っています。

カメラによって広がる可能性

最近の産業用ロボットには、ピッキング位置の検出や衝突回避のための緊急停止などを行うセンサーが多数搭載されています。従来のセンサーでは、取得可能な情報が限られていましたが、画像処理機能を有するロボットなら、これまでよりも詳細な情報の提供・評価が可能です。ビジョンシステムで評価した画像をロボットに読み込ませれば、判断機能がさらに向上し、不測の事態にも柔軟に対応できるようになります。特に、著しい成長を見せている協働ロボット(コボット)には、安全保護具が搭載されておらず、人間に危害が及ぶような事故を防止しなければならないため、このことは重要な意味を有します。また、誤作動により作業物や他のオートメーション機器に損傷を与えることもあるなど、ロボットの運用には多くのコストや時間がかかりますが、そのような場合でも、ロボットにカメラを取り付けることで信頼性を確保できます。

カメラ搭載ロボットのメリットは、上記のような予期せぬリスクの防止にとどまりません。評価した画像データはロボットの動作制御にも使用できるため、より柔軟な作業が可能になります。部品のピッキングをはじめとする単純な作業を行う場合でも、画像処理機能がないと指定場所に部品が届かないなど、さまざまな不具合が発生します。しかし、ロボットとビジョンシステムを組み合わせれば、このような心配はほとんどありません。カメラが誤った場所にある部品の画像を撮影し、正確な位置までの距離を算出したうえで、正確な2D座標または3D座標をロボットに送信して動きを制御するため、高い精度でピッキング作業を行うことができます。ピッキング作業の中でも、最も難しいものにビンピッキングがあります。容器の中に無造作に置かれたビンをピックアップするには、高度なビジョンシステムにより、次にピックアップするビンの正確な3D位置情報をロボットに送信する必要があります。画像処理を利用せず、現在あるほかの技術のみでこの作業を行うのはほぼ不可能です。

ビジョンシステムの適切な構築の重要性

用途に応じてビジョンシステムとロボットを最適に組み合わせるには、いくつかのポイントを考慮しなければなりません。まず、基本となるのがカメラを搭載する位置です。例えば、ロボットのアームに直接取り付けたり、アーム以外の部分に固定したりすることが考えられます。前者の場合は、ピッキングなどの作業を行う場所のすぐそばで撮影を行うことが可能ですが、カメラの重量をできる限り軽くすることはもちろん、振動や急な動きにも負けない耐久性、さらにはロボットの動きに適した配線設計が求められます。

また、撮影機能を有するロボットの開発に際し、インテリジェントカメラ(スマートカメラ)と従来の産業用カメラのどちらを採用するかも重要な問題です。スマートカメラがカメラ側で撮影画像を直接分析するのに対し、産業用カメラはコンピューターに画像を送信して分析を行うことから、精度や速度の面でより優れています。しかし、いずれのカメラにもメリットとデメリットはあります。そのため、分析の精度や処理・動作の速度、使用環境、システムの保護等級、ロボットの耐荷重、通信インターフェース、その他の条件を含め、さまざまな要件を考慮したうえで、各用途に最適なビジョンシステムを設計する必要があります。

とはいえ、カメラのみがロボット向けビジョンシステムの性能を左右するわけではありません。照明もまた、画像処理に大きな影響を与えます。作業に適した照明を準備しなければ、求められる画質が得られず、分析の精度も低下します。そして、撮影時にはレンズも重要になります。アームを有するロボットにカメラを搭載する場合は、急な動きや振動に耐えられるよう、絞り値などに対する配慮が必要です。一方、撮影距離が長い場合は、オートフォーカス対応のレンズを使用すると良いでしょう。このほか、ビジョンシステムの配線も、全体的な安定性に大きくかかわる要素です。ロボットは常に動き続けるため、屈曲に強い特殊なケーブルやドラッグチェーンを使用し、通信機能に影響しないようにしなければなりません。

複雑なシステム構築

ロボットに搭載するカメラを決定した後は、さらなるコスト削減に向けてソフトウェアを選択します。ロボットのアーム、カメラ、そして場合によってはシステムの照明にも、原則として専用の制御ツールが使用されます。すべての周辺機器を連携させるには、プログラミングや制御はもちろん、あらゆる通信をスムーズに行わなければならないなど、高度な設計が求められます。多くの場合、システム全体の構築コストは、開発期間の長さに比例して増大します。コストを抑えるには、既存のソフトウェアや対応するプログラミングツールを使用し、少ない労力で複雑な作業が可能な環境を整えることが重要です。

このように、カメラ搭載ロボットの開発は、決して簡単な作業ではありません。しかし、画期的かつ柔軟な活用が可能になるなど、労力に見合った大きなメリットがあることから、多くの業界において導入が進んでいることもまた事実です。

Baslerの便利ツール

Baslerでは、ビジョンシステムの構築をサポートするさまざまな便利ツールを公開しています。お使いのカメラに対応したアクセサリーの選定からシステム全体の構築に至るまで、用途に応じてぜひご活用ください。

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ビジョンソリューションガイド(ベータ版)

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