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医療現場で活用されるビジョン技術

医療用途に貢献しているエンベデッドカメラ

長い間にわたって私達の日々の生活と密接な関係にあるカメラ。これは何もスマートフォンに搭載されているカメラや旅行の記念撮影に使用されているデジタルカメラだけに限ったことではありません。ATM、料金所からビルの警備会社、そして細隙灯を使用している眼科医に至るまで、あらゆる場面でカメラが利用されています。 しかし、中でも最も見逃されがちなのがエンベデッドシステムに搭載されている超小型カメラです。特に医療研究においてはカメラが必要不可欠となっており、科学者、医者、看護師患者などがかかわる重要な業務に毎日のように使用されていますが、注目を浴びることはありません。 仮想のBaslerメディカルセンターでは、エンベデッドカメラを使用した診断や治療を専門に行っており、各階にはそれぞれ異なる医療関連施設が入っています。以下では、カメラが持つ高い機能を活用している用途ついてご紹介していきます。

1階:眼科検査

1階には、眼科検査科が入っています。糖尿病網膜症や黄斑変性症などの病気は、早期に発見すれば完治する可能性が大幅に上昇するため、眼科検査の重要性が近年増しています。現代の眼科医は、様々な診断機器や診断方法を自由自在に使いこなしています。

その中でも広く使用されている検査機器の一つが細隙灯顕微鏡(または単に細隙灯)です。名前の通り、この機器は細い帯状の光を目に当て、反射顕微鏡で細かい検査を行います。最近のほとんどの細隙灯にはデジタルカメラが搭載されており、画像や映像で診断結果を残せるようになっています。

また、医師が目の奥(眼底)の高解像度画像を撮影するために使用している眼底カメラについては、持ち運び可能な新型モデルが軽量かつ非常にコンパクトな作りになっているため、エンベデッドカメラが必要不可欠です。今では訪問診療が行えるなど、持ち運びに便利な機器が増えたことは、医師や患者にとって大きなメリットになっています。

1階:眼科検査

2階:皮膚科

2階:皮膚科

皮膚疾患を専門に扱う皮膚科では、皮膚がん(悪性黒色腫)の早期発見が治療成功の鍵を握っています。

その一般的な診断方法の一つとして、内蔵されたカメラを使用して皮膚の疑わしい病変を検査し、記録するダーモスコピー検査があります。この検査では、一度に様々な部位を調べることにより、色の変化をデジタル形式で記録します。また、撮影だけでなく、画像の分析も行える特殊なソフトウェアが使用されており、ソフトウェアに内蔵されている画像のコンピューター分析機能が大きな威力を発揮しています。記録した画像を評価する際には、均一な環境で撮影を行うことが重要な条件となります。エンベデッドカメラはここでも大きな役割を果たしており、照明や角度といった様々な撮影条件を整えることで、長期にわたって画像を比較できるようにしています。このほか、カメラの色忠実性も、診断の精度を維持するために一役買っています。

3階:研究機器

当社のメディカルセンターの3階には、様々な研究機器が置かれています。これらの目立たない機器の多くには、測定工程において重要な役割を果たしている最先端のカメラが搭載されています。

その用途の中でも重要なものの一つに蛍光測定があります。蛍光測定は、タンパク質などの構成物質の量を調べるために使用されており、カメラが検出した蛍光部分が多ければ多いほど、検体に含まれるタンパク質の量が多いことを意味します。特に検体に含まれるタンパク質の量が少ない場合は、カメラセンサーに高い感度が求められます。さらに、キャリブレーションを適切に行えば、タンパク質の正確な量まで分かります。

患者に腫瘍が見つかった場合は、有効な治療計画を作成する前にその特性を把握する必要がありますが、その際には腫瘍組織の評価が重要になります。従来までは、病理医が顕微鏡を使用して腫瘍の断面を検査し、その結果から良性か悪性かを判断していましたが、デジタルCTスキャンの登場により、新たな検査方法が誕生しました。この方法では、機器に搭載された高解像度カメラで腫瘍組織の断面をスキャンするため、病理医は顕微鏡を使用することなく、コンピューター上で高解像度の画像を分析できます。そのメリットは非常に大きく、疑わしい部位に関するコメントが付けられるほか、画像上の特定部位の測定や区分ができるようになっています。また、病変部位の構造の検出に際しては、コンピューター支援診断を利用することも可能です。

3階:研究機器

4階:手術室

4階:手術室

Basler医療センターの4階には手術室があります。

手術部門のコントロールセンターには、全体が見渡せるように複数のモニターが設置されており、すべての手術室の様子を様々な角度からいつでも確認できるようになっています。通常、これらの画像を撮影しているカメラは非常にコンパクトな構造になっており、手術台の上に取り付けられた旋回式のアームに搭載されています。患者の手術の様子は、ライブ映像または記録映像として研修や診察用に転送できます。エンベデッドカメラを搭載した手術関連機器は高い解像度だけでなく、病院の標準的な消毒対策にも対応している必要があります。

長い年月を経て、最小侵襲手術などの手法が確立されたことにより、手術をいつ、どのように行うのかという医師の判断も大きく変化しており、今では患者の腹部を大きく切開する方法の代わりに、鍵穴ほどの大きさの穴を開けるだけで患者の内臓を手術することが可能になっています。また、身体の内部を調べる内視鏡にも、ライブ映像を撮影可能なエンベデッドカメラが組み込まれています。手術医がメスを持ったまま映像に集中できるようにするなど、内視鏡はほとんどの場合で他の器具とともに使用されます。患者の安全を常に守るため、これらのカメラに非常に高い信頼性が求められることは言うまでもありませんが、特に内視鏡カメラでは大きくカーブしたレンズを採用することで、視野角を最大限まで確保しています。

5階:研究

Baslerメディカルセンサーの最上階には、病院の実際の診療業務に日々使用されている機器とは大きくかけ離れた研究施設があります。医療用カメラの小型化が進んでいることから、ここは非常に慌ただしい場所となっています。

近年、患者の体内に入って腫瘍に付着する腫瘍特異抗原が開発されましたが、これらの抗原を蛍光マーカーと組み合わせれば、腫瘍を可視化することが可能です。しかし、2D画像だと腫瘍の構造や大きさについて限られた情報しか得られません。そこで、生物発光トモグラフィーが研究者の注目を集めるようになりました。この方法では、O型のアームに実に5台ものカメラが取り付けられており、起動すると検査対象物の周囲を回るように動きます。そして、5台のカメラがアームの動きに合わせて様々な角度から腫瘍の画像を撮影した後、CTスキャンで使用されるような複雑な再構成アルゴリズムによって腫瘍の3Dモデルが作成されます。

5階:研究

未来に目を向けて

医療現場でカメラがより大きな役割を果たすようになると予想されることから、Baslerメディカルセンターは今後も大きな成長を遂げていくと期待されています。これまで見てきたように、エンベデッドカメラは医療の現場において重要な存在となっており、これからも多くの用途でも活用されるようになるでしょう。

私達が進む先にはきっと、わくわくするような未来が待っていることでしょう。

これらの小さなカメラは大きな期待を背負っており、丈夫で優れた画質と信頼性を兼ね備えているだけでなく、高い色忠実性も維持しなければなりません。カメラの小型化が絶えず進んでいることから、カメラを搭載する機器についても持ち運びができるようになると見られ、寝たきり状態の患者の治療も含め、今までにない全く新しい用途が生まれる可能性が広がっています。