エンベデッドビジョンシステムのご紹介

現在大きな話題となっているエンベデッドビジョンシステムの構築を任されることになったSteve。初めて担当するエンベデッドビジョンプロジェクトで奮闘する彼の姿を是非ご覧ください。

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エンベデッドビジョンシステムとは?

ICの集積化、小さくて性能の高い電子基板の登場など、近年、電子部品業界において小型化の動きが進んでおり、コンピューターや携帯電話、カメラもますますコンパクトかつ高性能になっています。そして、この動きはマシンビジョンの世界にまで波及しています。
従来のマシンビジョンシステムは、産業用カメラとコンピューターで構成されています。数年前までは、カメラもコンピューターも非常に大きなものが使用されていましたが、短い期間でコンピューターの小型化が可能になり、その間に1枚の基板の上にカメラを搭載したシングルボードコンピューターも開発されました。同時に、カメラの電子部品も小型化も進み、非常にコンパクトなカメラが登場するようになりました。現在ではさらに高度なハウジングのない小型カメラも開発されており、コンパクトなシステムに簡単に取り付けられるようになっています。
コンピューターとカメラが小さくなったことにより、新しい用途向けに超小型カメラを搭載したビジョンシステムを開発できるようになりました。そして、このようなシステムのことをエンベデッド(ビジョン)システムと呼んでいます。

エンベデッドビジョンシステムの構造と用途

代表的なエンベデッドビジョンシステムでは、ボードレベルカメラと呼ばれるカメラがプロセッシングボードに接続されています。プロセッシングボードは、従来のマシンビジョンシステムでコンピューターが行っていた作業を行います。プロセッシングボードは従来の産業用コンピューターよりも価格が安いため、ビジョンシステムの小型化だけでなく、コストパフォーマンスも向上させることができます。エンベデッドビジョンシステムでは、インターフェースとして主にUSBやBaslerのLVDS対応インターフェースBCONが使用されています。
医療、自動車、産業用・民生用電子機器など、エンベデッドビジョンシステムは幅広い用途や機器に使用されおり、更なる新しい製品の開発により、多くの分野でイノベーションを起こす可能性を秘めています。

エンベデッドシステムの種類

エンベデッドシステムの中には、Raspberry Pi®などの人気のシングルボードコンピューター(SBC)があります。Raspberry Pi ®は確立されたインターフェースを搭載したミニコンピューターで、従来のコンピューターやノートパソコンと同様の機能を持っています。
エンベデッドビジョンシステムでは、このほかにもSoM(System on Modules)やCoM(Computer on Module)を計算ユニットとして使用できます。どちらの場合でも、インターフェースを取り付けるためにキャリアボードと呼ばれる基板が必要となります。キャリアボードは特殊なコネクターを使用してSoMに接続されるため、比較的シンプルな構造になっています。既製品であるSoMやCoM(またはシステム全体)は、そのメリットとしてコストパフォーマンスを向上させるだけでなく、キャリアボードを通じて個別にカスタマイズすることも可能です。
したがって、大量生産を行う場合は、カスタマイズされたプロセッシングボードを使用するのも良いでしょう。

すべてのモジュール、シングルボードコンピューター、そしてSoMには、SoC(System on Chip)が搭載されています。SoCはプロセッサー、コントローラー、メモリーモジュール、電源管理などの機器を1枚のチップに集約したもので、これらの機器の機能をすべて兼ね備えていることから、現在あるコンパクトで低価格なエンベデッドビジョンシステムにとって必要不可欠な存在となっています。

エンベデッドビジョンシステムと一般的なビジョンシステムの特性の比較

上記のシングルボードコンピューターとSoMのほとんどには、一般的なコンピューターによく見られるx86系のプロセッサーが搭載されておらず、その代わりに通常はARM系のCPUが使用されています。
ARMプロセッサーでは、OSとしてオープンソースのLinuxを広く使用しています。Linuxでは、多くのオープンソースアプリケーションや膨大な無料プログラムライブラリーが利用可能です。
しかし、x86版のシングルボードコンピューターも使用が拡大しています。
コンピューターにとって、エンベデッドシステムのスペースの狭さは常に大きな課題となっています。

ソフトウェア開発者にとって、一般的なコンピューター用のプログラムの開発とエンベデッドシステム用のプログラムの開発は全く異なるものです。エンベデッドシステムには、原則としてプログラミングにも使用可能な適切なユーザーインターフェースが搭載されていないため、ソフトウェア開発者は、対応するインターフェース(ネットワークインターフェースなど)を通じてエンベデッドシステムに接続するか、それができない場合は、一般的なコンピューターでソフトウェアを開発した後にエンベデッドシステムに移行しなければなりません。
また、ソフトウェアを開発する際には、エンベデッドシステムが特殊な用途に対応するためのハードウェアで、汎用性の高いコンピューターとは大きく異なるという点にも考慮する必要があります。

しかし、エンベデッドシステムとデスクトップコンピューターを使用したシステムとの間の違いをはっきりと区別することが難しい場合もあります。携帯電話について考えてみると、エンベデッドシステム(ARMを使用しているシングルボードコンピューター)としての特長を多く持っている一方で、様々な作業に対応可能であるという一般的なコンピューターのような汎用性もあります。

エンベデッドビジョンシステムの特長

エンベデッドビジョンシステムは、開発方法によって大きく異なる場合もあります。中でも、一般的な製品であるシングルボードコンピューターを使用することは、賢い選択であると言えるでしょう。シングルボードコンピューターはコンパクトで使いやすく、エンベデッドビジョンシステムの構築経験があまりない場合にも適しています。

しかし、一方でシングルボードコンピューターには不要な部品も含まれているため、ムダのないシステムを構築するという点で限界があります。そのため、生産量が少量から中程度の場合に適していると言えます。ムダのないシステムを構築するには、カスタマイズが必要になりますが、システム構築の手間が増えるため、大量生産を行う場合に限られます。
エンベデッドビジョンシステムの主な特長:
  • ムダのない構造
  • 軽量
  • 不必要なハードウェアがないためコストパフォーマンスが高い
  • 製造コストが低い
  • 消費電力が低い
  • サイズがコンパクト

エンベデッドビジョンシステムに適したインターフェースとは?

エンベデッドビジョンシステムは多くの用途に使用されているため、そのデザイン要件も実に様々です。Baslerでは、お客様の仕様に合わせて様々なセンサー、解像度、インターフェースに対応したカメラを幅広く取り揃えており、

Baslerが提供している2種類のエンベデッドビジョンシステム用インターフェース:

  • 取付けが簡単なUSB3 Vision
  • ムダのないシステムを構築できるLVDS対応インターフェースBCON
どちらのインターフェースでもBaslerのpylon SDKをご使用いただけ、インターフェースの移行も簡単です。
USB3 Vision
プラグアンドプレイ対応でカメラへの接続が簡単なUSB 3.0は、シングルボードコンピューターに最適なインターフェースです。USB 3.0対応カメラはGenICamなどの一般的な規格に準拠しているため、Baslerのpylon SDKを使用すれば、カメラ(画像、設定など)に一瞬でアクセスできます。

特長
  • USB 2.0・USB 3.0コネクターを使用してシングルボードコンピューターに簡単に接続可能
  • Raspberry Pi®、NVIDIA社製Jetson TK1など、幅広いシステムへの対応を確認済み
  • 対応する基板を持つSoMに対して高いコストパフォーマンスを実現
  • 最大帯域幅350MB/秒による安定したデータ転送
LVDS対応インターフェースBCON
Baslerが独自に開発したLVDS対応インターフェースBCONがあれば、FPGA(Field Programmable Gate Arrays)などのオンボード型ロジックデバイスや同様の機器のプロセッシングボードにカメラを直接接続できるため、システムのムダを省き、ボードとボードを直接接続してデータ転送が行えます。
したがって、このインターフェースはキャリアボードやアダプターボードを持つSoM、個別に開発されたプロセッシングユニットにカメラを接続する際に理想的です。
お使いのシステムにFPGAを使用している場合は、BCONのメリットを最大限に活用できます。
BCONはフレキシブルフラットケーブルの28ピンZIFコネクターに対応しており、5Vの電源、画像データの転送と撮影のトリガーを行うLVDSに加え、カメラの設定に使うI²Cバス接続も備えています。
Baslerのpylon SDKは、LVDS対応インターフェースBCONに対応しているため、お使いのソフトウェアコードとpylonのAPIを使用して露光の調整、ゲイン、画像プロパティなどの設定を変更できます。アプリケーションで画像を取得する際には、実際に使用しているハードウェアの影響を受けるため、独立して実行する必要があります。

特長
  •  カメラ上で直接画像処理を行うため、下流側にあるプロセッシングボードのリソースが限られている場合でも高画質の画像が撮影可能
  • LVDS接続を通じて画像データをFPGAに直接転送
  • 別途プログラミングを行わなくても、pylon SDKを使用することで、一般的なI²Cバスを通じてカメラを設定可能なほか、GenICam規格にも対応
  • 画像データのソフトウェアプロトコルをオープン形式で総合的に文書化
  • リファレンス実装がセットになった開発キットも利用可能
  • フレキシブルフラットケーブルと小型のコネクターを使用しているため、スペースが限られた用途でも使用可能
  • 最大帯域幅252MB/秒による安定した信頼性の高いデータ転送

エンベデッドビジョンシステムの開発方法とカメラの取付け方法

エンベデッドビジョンシステムの構築経験があまりない場合でも問題ありません。特に、一般的なマシンビジョンシステムからエンベデッドビジョンシステムへの移行はそれほど難しい作業ではありません。Baslerでは、エンベデッド関連製品以外にも、システム構築を簡単にする多くのツールをご提供しています。

当社の紹介ビデオをご覧になれば、エンベデッドビジョンシステムの開発方法やカメラの取付け方法についてご理解いただけます。是非ご覧ください。

エンベデッドビジョンシステムにおける機械学習

エンベデッドビジョンシステムでは、ベルトコンベヤーで運ばれてくる丸いビスケットと四角いビスケットの仕分けなど、カメラが撮影した画像を分類する作業がよく発生します。従来までは、ソフトウェア開発者が膨大な時間とエネルギーを費やして、ビスケットの特性の違い(丸か四角かなど)を見分けられるインテリジェントアルゴリズムを開発していました。この例の場合は比較的簡単に思えるかもしれませんが、対象物の特徴が複雑であればあるほど、この作業も難しくなります。

しかし、機械学習のアルゴリズム(CNN:Convolutional Neural Networkなど)では、何らかの特徴をインプットする必要はありません。丸いビスケットと四角いビスケットの大量の画像を画像の分類に関する情報とともに提供すると、アルゴリズムの側で2種類のビスケットの見分け方を自動的に学習します。また、新しい未知の画像があった場合でも、今までに見てきた画像の「経験」を頼りに、2種類のどちらかに分類します。このアルゴリズムの処理速度は、GPU(Graphics Processing Unit)やFPGAを使用した場合に特に速くなります。

Baslerのエンベデッドビジョンシステム用製品

Basler dartのLVDS対応インターフェースBCON搭載モデルとUSB 3.0インターフェース搭載モデル
エンベデッドビジョンシステムに適したカメラとは?
Baslerエンベデッドビジョンシステム用PowerPack
お使いのエンベデッドシステムに最適なカメラをお探しなら、BaslerのUSBカメラdartの評価が簡単にできるプラグアンドプレイ式評価キットPowerPack dart USBがおすすめです。
Baslerのエンベデッドビジョンシステム用ソフトウェアpylon
Baslerが実証を重ねて開発したpylon Camera Software Suiteは、エンベデッドビジョン製品での使用に最適な使いやすいSDKを備えています。
エンベデッドビジョンシステム用構成機器
カメラやCPUボード以外にも、様々な機器で構成されているエンベデッドビジョンシステム。安定したシステムを構築するためには、カメラや用途に合った構成機器を選ぶ必要があります。

お問い合わせ

当社のエンベデッドビジョンシステム用製品についてご不明点がある場合は、お気軽にお問い合わせください。要件に合ったシステム構築をサポートします。
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サポートも充実

お使いのエンベデッド用途向け製品についてご不明点がある場合は、
是非当社にお問い合わせください。

導入・開発に関するサポート

お使いのエンベデッドシステムに画像処理機能を導入したい場合は、
Baslerパートナーネットワークが便利です。
 
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